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グーグル、VRを身近にする3Dオーディオ技術を公開

2016年7月27日(水)16時20分
高森郁哉

YouTubeアプリでも空間音声を体感

 同じくこの話題を報じたベンチャービートによると、オムニトーンはすべてJavaScriptで書かれているため、当面はPC上のブラウザでしか正しく再生されないという(将来的には、モバイルデバイスやVRヘッドセットにも対応するとしている)。

 ただし、モバイルデバイスでも空間音声を聴く方法はある。今回のオープンソース化に先立ち、グーグル傘下のYouTubeが4月、360度動画ライブ配信機能と空間音声を追加したと発表YouTubeのヘルプページによると、「バージョン4.2以降のAndroid端末でYouTube Androidアプリを使用すると、イヤホンまたはスピーカーで空間音声を聴くことができる」という。

 YouTubeは空間音声付きの360度動画のサンプルを「Immersive Videos With Spatial Audio」という再生リストで13本公開している。筆者も実際にAndroidフォンのYouTubeアプリで試してみたが、デバイスを動かすのに合わせて、動画と音声がシンクロして移動するのを確認できる。PCの場合はマウスなどを操作して画面を動かす必要があるのに対し、スマホの場合は腕や体の位置が変わるだけでコンテンツが追随するので、没入感がぐっと高まる印象だ。

フェイスブックも対抗する動き

 VRコンテンツの配信プラットフォームとしては、グーグルの最大のライバルになるであろうフェイスブックも、空間音声への取り組みも進めている。同社は5月、VR音響技術を手がける英企業のTwo Big Earsを買収したと発表し、VRコンテンツ用の空間音声設計ツール「Facebook 360 Spatial Workstation」を無償で提供開始した。

 両社によるVRコンテンツの制作および配信環境の整備により、クリエイター、パブリッシャー、オーディエンスにとってVRコンテンツが次第に身近なものになっていくのは間違いない。当面は、音楽ビデオやビデオインスタレーション、ショートムービーなどで実験的な作品が作られるだろう。ただしその先は、企業がVRコンテンツを制作し、ソーシャルメディアを通じたバイラルマーケティングに活用するのが主要な市場になるだろうし、グーグルとフェイスブックも当然そこを見据えているはずだ。

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