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「英国EU離脱、仏独など他の欧州諸国の格付けに影響も」格付け会社フィッチ

6月の国民投票を前に英国のEU離脱に関するマイナス評価が高まる

2016年5月17日(火)11時18分

5月16日、格付け会社フィッチは、英国がEUから離脱すれば、欧州諸国の格付けにも影響する可能性があると見方を示した。写真は2月24日、ロンドンで撮影した英国旗と時計台ビッグベン(2016年 ロイター/Hannah McKay)

 格付け会社のフィッチ・レーティングスは、英国が欧州連合(EU)から離脱した場合、英国と通商、金融面で結びつきの強い欧州諸国の格付けにも影響する可能性があるとの立場を示した。これには独仏、スペイン、アイルランド、オランダなどが含まれるとした。

 フィッチはこれまで、英国のEU離脱は基本シナリオではないと強調しながらも、離脱が決まれば、英国の格付けを見直す方針を示している。

 フィッチは実際に離脱となっても、他の欧州諸国の格付けにすぐにマイナスの影響が及ぶ訳ではないとしたが、「経済が深刻な打撃を受ける、または著しい政治的リスクが実体化した場合、格付けに関し中期的にマイナスの行動を取る公算が大きい」との見方を示した。

 離脱による経済的な打撃は、欧州諸国よりも英国の方が深刻だが、それでも顕著だとした。

 欧州内では、アイルランド、マルタ、ベルギー、オランダ、キプロス、ルクセンブルクが英国との貿易関係が深いほか、ドイツ、フランス、スペインは銀行システムを通じて密接に関連しており、離脱の際には経済的な打撃を受けるとみられている。

 また離脱後の英国が繁栄すれば、EU内で追随の動きが出る可能性があると指摘。英スコットランドやスペインのカタルーニャ州で独立機運が高まる可能性があるとした。

 英国に追随する動きが加速するとの懸念が強まれば、周辺国のスプレッドは拡大し、債務圧縮をさらに困難にする恐れがあるとした。

[ロンドン 16日 ロイター]


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