最新記事

中国経済

新華社系経済紙、中国政府系投資家『国家隊』へ頻繁な取引を手控え求める

政府系投資家が「安く買って高く売る」戦略を続けることで健全な市場育成を阻害

2016年5月11日(水)18時34分

5月11日、中国国営新華社系の経済専門紙、経済参考報は、政府系の投資家「国家隊」による最近の「安く買って高く売る」戦略が株式市場をゆがめ、投資家の新規参入を妨げているとして、国家隊に頻繁な取引を手控えるよう訴えた。写真は上海の証券取引所にある電子ボード。昨年9月撮影(2016年 ロイター/Aly Song)

 中国国営新華社系の経済専門紙、経済参考報は11日、政府系の投資家「国家隊」による最近の「安く買って高く売る」戦略が株式市場をゆがめ、投資家の新規参入を妨げているとして、国家隊に頻繁な取引を手控えるよう訴えた。

 国家隊には政府系証券金融会社の中国証券金融や、国家外為管理局傘下の投資プラットホーム「梧桐樹」が含まれている。

 同紙は、国家隊はあまりにも頻繁に取引を行っており、実質的にその他の市場参加者に対する取引の相手方になっていると指摘。こうした取引慣行は市場の長期安定にとって有害であり、その他の投資家が一段と短期的な戦略を採用するようになっているほか、新規投資家にとって市場の魅力が落ちているとの認識を示した。

 同紙が安信証券の統計として引用したところによると、国家隊は3月末時点で中国上場企業1221社、トータルで1兆元(1534億3000万ドル)相当の株式を保有している。

[上海 11日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

テスラ、7月のドイツ販売が半減 BYDは5倍に

ワールド

プーチン氏、米国の停戦通告に応じる可能性低い 4州

ビジネス

米EU貿易合意は「良い保険」、 混乱続くと予想=E

ワールド

香港、最高レベルの豪雨警報を継続 病院・学校など閉
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 5
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 6
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「原子力事…
  • 7
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 8
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴…
  • 9
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 10
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 5
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 6
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 7
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 8
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 9
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 10
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 4
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 5
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 6
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中