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「尊厳死」法制化で悩む日本、高齢化と財政難が拍車

2016年4月3日(日)19時50分

 この話題がいかに微妙な問題であるかは、麻生太郎財務相が2013年、高齢者の高額医療と関連して、終末期の高齢者は「さっさと死ねるように」してもらわないと、などと発言し物議をかもしたことでも明らかだ。

 尊厳死法案は、7月に予定される総選挙前に提出されることはないだろう。議論を巻き起こすような法案をこの時期に進める利点はほとんどないからだ。

「私のような団塊の世代が高齢になりつつある。現実問題として、死に直面せざるを得ない」。老母の尊厳死を見届けた丹澤さんの言葉は、命の終わり方をめぐる議論が日本社会でさらに広がる可能性を示唆している。

 (リンダ・シーグ 翻訳:加藤京子 編集:北松克朗)

 

[東京 31日 ロイター]


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