最新記事

企業

三菱自、燃費不正の影響で17年3月期業績予想は見送り

不正問題による業績への影響や対応費用が予想つかず

2016年4月25日(月)09時59分

 4月24日、三菱自動車が27日の2016年3月期(前期)決算発表時に予定していた17年3月期(今期)の業績予想の公表を見送る方向で調整していることがわかった。写真は20日、燃費不正について都内で会見する同社の相川哲郎社長(2016年 ロイター/Toru Hanai)

三菱自動車<7211.T>が27日の2016年3月期(前期)決算発表時に予定していた17年3月期(今期)の業績予想の公表を見送る方向で調整していることがわかった。燃費を実際より良く見せる不正を意図的に行っていた問題が発覚、現時点では売り上げや関連費用を合理的に算出することが難しく、業績への影響が見通せないため。関係筋が明らかにした。

同社は不正が判明している軽自動車の生産と販売を停止しているが、その期間がいつまで続くか決まっていないうえ、対象車を供給していて販売ができなくなっている日産自動車<7201.T>に対する補償金額も見通せない状況にある。また、対象車がその他の車種にも広がる可能性が高まっている。

さらに、不正のあった車の実際の燃費がエコカー減税の対象外であることが確定した場合、三菱自は対象車を購入して減税を受けた顧客の追加納税分を全額負担する方針。さらに購入者には余計にかかったガソリン代も支払う方向で補償も検討している。企業は通常、前期決算発表時に今期業績予想も公表するが、こうした影響額がどのくらいになるのか現時点では合理的な算出ができないため、公表を見送らざるを得ないという。

(白木真紀)

[東京 24日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

EBRD、今年の成長見通しを上方修正 関税が脅威

ビジネス

8月百貨店売上高、7カ月ぶりプラス インバウンドの

ワールド

トランプ政権、グリーンエネ補助金130億ドル中止へ

ワールド

アップル、EUデジタル市場法を批判 「新機能遅延・
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 2
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 3
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市場、売上を伸ばす老舗ブランドの戦略は?
  • 4
    【クイズ】ハーバード大学ではない...アメリカの「大…
  • 5
    クールジャパン戦略は破綻したのか
  • 6
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性…
  • 7
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 8
    トランプの支持率さらに低下──関税が最大の足かせ、…
  • 9
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 10
    9月23日に大量の隕石が地球に接近していた...NASAは…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 5
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 6
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 7
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 8
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 9
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 10
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 6
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中