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日立の伊鉄道信号大手買収、ミラノ検察当局が不正を調査

市場操作や規制妨害の有無など買収価格を不当に低く抑えた疑惑

2016年2月5日(金)10時42分

2月4日、日立製作所の伊鉄道信号システム大手アンサルドSTS買収合意をめぐり、ミラノの検察当局が調査を行っている。写真は日立の中西宏明会長兼CEO。2015年2月撮影(2016年 ロイター/Issei Kato)

 日立製作所<6501.T>の伊鉄道信号システム大手アンサルドSTS 買収合意をめぐり、ミラノの検察当局が調査を行っている。事情に詳しい関係筋2人が4日明らかにした。

 同筋によると、検察側は市場操作や規制妨害の有無など、不正を裏付ける事実があるかを調べるという。

 日立は昨年、伊防衛・航空複合企業フィンメカニカからアンサルドSTSの株式40%を1株9.5ユーロで買収。1月4日には、残りの株式を取得するため同額での公開買い付け(TOB)を開始している。

 ところが、アンサルドSTSに出資する投資ファンドが、フィンメカニカに支払われた価格は人為的に低く抑えられたとして、イタリア証券取引委員会(CONSOB)に不服を申し立てた。

 CONSOBは3日、日立とフィンメカニカが、買収価格を人為的に低く抑えていると指摘していた。

 日立は4日に出した声明で、フィンメカニカと買収をめぐって談合行為があったとの指摘を否定。法律を完全に順守して価格を設定したと主張した。

 フィンメカニカのコメントは現時点で得られていない。

 

[[ミラノ 4日 ロイター]


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Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

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