最新記事

EU

イギリス首相、国民投票でEU離脱呼び掛ける可能性に言及=地元紙

首相は「残留支持派」だが、自らの主張が引き続き「完全に無視」されるのであればそうせざるを得なくなると党幹部に

2015年12月7日(月)07時55分

12月5日、キャメロン英首相が、EU改革の交渉で、自らの主張が引き続き「完全に無視」されるなら、国民投票で離脱を呼び掛けざるを得なくなると非公式に漏らしていたことが分かった。写真はロンドンで2日撮影(2015年 ロイター/Suzanne Plunkett)

 キャメロン英首相が、欧州連合(EU)改革をめぐる交渉について、自らの主張が引き続き「完全に無視」されるのであれば、国民投票で離脱に票を投じるよう呼び掛けざるを得なくなる、と党幹部に非公式に漏らしていたことが分かった。5日付のデイリー・テレグラフ紙が伝えた。

 同紙が取材源を特定せず報じたところでは、首相は党幹部に対し、EUとの交渉が失敗だと判断すれば、国民投票で「アウト(離脱)」に票を投じるよう呼び掛けるキャンペーンを率いることになると語った。

 同紙によると、関係筋は「キャメロン首相は、完全に無視されたり、要求が聞き入れられなかったりすれば、離脱を呼び掛けると述べた」とし「これは首相が望む展開でないが、首相はここ数週間、(離脱の呼び掛けは)あり得ない話ではないと明言している」としている。

 同紙はまた、英首相府の複数の関係者の話として、英国がEUに残留する確率は「50%を若干上回る程度」に過ぎないと伝えている。

 キャメロン首相は現在、英国がEUにとどまるための条件について、EU側と交渉中。首相は「残留支持派」だが、移民への福祉制限などの改革案が受け入れられなければ離脱も辞さない構えを示している。

[ロンドン 5日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

アングル:都議選自民敗北、経済官庁に警戒感 消費・

ビジネス

午前の日経平均は続落、中東情勢悪化が重し 売り一巡

ワールド

ホルムズ海峡リスク、ブレント原油一時110ドルも=

ワールド

中国はエネルギー輸出国に転換へ=ロスネフチCEO
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 2
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり得ない!」と投稿された写真にSNSで怒り爆発
  • 3
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「過剰な20万トン」でコメの値段はこう変わる
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 7
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 8
    EU、医療機器入札から中国企業を排除へ...「国際調達…
  • 9
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 10
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 7
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 8
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 9
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 10
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中