最新記事

美容

小学生もハマる韓国DIY整形

大人のように整形するお金がない少女たちが陥る自己流整形には危険がいっぱい

2014年2月7日(金)12時40分
ジェフリー・ケイン

誘惑 美容整形クリニック前の広告には術前術後の写真が Ann Hermes-The Christian Science Monitor/Getty Images

 韓国・ソウルでセレブの街として有名な江南地区に、その「整形タウン」はある。美容整形クリニックが密集している区域だ。韓国人だけでなく、中国や東南アジアからの観光客が訪れて、高い鼻、丸い目、細いあご、優しい笑顔を「注文」する。

 世界一の「整形大国」と言われる韓国。競争の激しい社会で仕事や恋愛で成功するには、美容整形は必須条件だと考える人が多い。料金は高い。目と鼻とあごの「VIPパッケージ」は1万ドルを超えることもある。 

 そのため、お金のない未成年者の間で「DIY整形」が流行し始めた。ネットで安価だが危険を伴う美容整形グッズを購入し自宅で顔をいじるのだ。

 取材に応じた17歳の少女2人は、2年前にテレビで知って買い求めるようになったという。案の定、顔に傷が付くなどの問題が生じた(幸い、治癒できる傷だったが)。彼女たちは医学的に承認された製品ではないことを分かっていたが、周りの子もやっていたから使ったと語る。

 彼女たちが愛用していたツールの1つが、強制的に瞬きさせない仕掛けの眼鏡。毎日掛けていると、二重まぶたになるとされる。5〜20ドルで、小学生も利用しているという。あごを絞るローラーは、約6ドルの人気商品だ。あごのラインをシャープにしてくれるらしい。1日数時間の使用で鼻が高くなるという矯正器具もある(2ドル相当)。

 美容整形外科医らは、DIY整形で思春期の体が「傷つけられている」と警鐘を鳴らす。少女たちが目の感染症などを訴えて、病院に駆け込むこともある。

 自己流の整形で取り返しのつかないことをした大人たちもいる。有名なのは、顔にサラダ油を注射して腫れ上がってしまった韓国人女性だ。形成手術を繰り返しても修復は不可能だった。これは極端な例だが、素人療法にはそれなりの危険が伴う。

 昔は美容整形といえば若い成人女性がクリニックを訪れたもの。だが最近は高校生まで顔にメスを入れるように。そして、小中学生は自宅で自己流整形に走るようになってしまった。

From GlobalPost.com特約

[2014年1月 7日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 デフォルトリ

ワールド

トランプ氏、経済政策が中間選挙勝利につながるか確信

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中