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南スーダンを駄目にする国際援助

2014年1月16日(木)12時31分
ジョシュア・キーティング

 いわゆる援助は単純な技術的問題や物流問題(道路の舗装、学校の建設、子供たちへの予防接種など)を解決することは得意だと、ラーソンらは指摘する。これは国際的な支援組織が認識するとおりだ。しかし複雑で柔軟な対応を要する難問(腐敗との戦い、法の遵守、民主機関の設立など)に直面すると、しばしば苦戦し失敗する。

 南スーダンで現在起きている戦闘は、キール大統領と昨年7月に解任されたマチャル前副大統領の政治的確執が発端だった。さらにキールはディンカ人、マチャルはヌエル人であることから、2大部族の間の亀裂も顕在化した。

 事態打開に向けて周辺国が仲介に乗り出し、先週には隣国エチオピアで政府側と反乱軍側の代表者による和平交渉が始まった。ただしそれも難航が予想されている。

 世界で最も若い国がこうした暴動の発生を抑えられるようになるにはまだ時間がかかる。そのことだけははっきりしている。

© 2014, Slate

[2014年1月14日号掲載]

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