最新記事

人種問題

移民大国ロシアの残忍な移民襲撃

移民労働者に成長を頼りアメリカに次ぐ移民大国で燃え上がる排外主義

2012年6月12日(火)14時01分
クリスチーナ・ナルジャ

解決策は「統合」 農場で働くキルギス系移民の書類を調べる警官 Ilya Naymushin-Reuters

 ロシア各地で移民襲撃事件が相次いでいる。モスクワの地下鉄ではコンゴ人男性が刺され、北部コンドポガではムスリムの少女が10代の少年3人に「町を出て行け」とバットで殴られた。

 先月中旬には、モスクワ中心部でアゼルバイジャン出身のムスリム活動家が殺害された。警察は強盗事件として捜査を進めているが、首や顔をナイフで刺す残忍さを考えると、人種差別的な動機があるようだ。

 排外主義の矛先は非白人、とりわけ中央アジアや北カフカス地方からの移民労働者に向けられる。ある世論調査では20%のロシア人が「ロシア人のためのロシア」というスローガンに強く共感し、70%近くが他民族に対する否定的感情を持っていた。

 ロシアはアメリカに次ぐ移民大国で、旧ソ連の共和国などから年間に推定1300万〜1400万人が流入。外国人による犯罪や不法滞在も問題になっている(旧ソ連の共和国出身者は査証なしで入国できるが、住所と仕事の登録が求められる)。

 プーチン大統領は選挙戦で、移民が経済成長を支えてきたことを認めつつ、ロシア語習得の義務化など移民規制強化を公約にした。連邦移民局は目下、移民統合の新政策を策定中だ。

From GlobalPost.com

[2012年5月16日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン戦争は2週目に、トランプ氏「無条件降伏」求め

ビジネス

アングル:欧州で若者向け住宅購入の新ビジネス、価格

ワールド

焦点:道半ばの中国「社会保険改革」、企業にも個人に

ワールド

昨年の関税合意実施を米と確認、日本が不利にならない
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だったはずの中国が、不気味なまでに静かな理由
  • 2
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない
  • 3
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗雲...専門家「イランの反撃はこれから」「報道と実態にズレ」
  • 4
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 5
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 6
    10歳少女がライオンに激しく襲われる...中国の動物園…
  • 7
    「みんな一斉に手を挙げて...」中国の航空会社のフラ…
  • 8
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 9
    【WBC】侍ジャパン、大谷翔平人気が引き起こした球場…
  • 10
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 9
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中