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3.11津波の瓦礫漂着に身構える米西海岸

今も太平洋を漂流し続ける瓦礫が、犠牲者の遺骨や形見とともにアメリカまで到達する可能性が出てきた

2012年2月16日(木)15時39分
アレクサンダー・ベサント

外洋へ 東北3県からの瓦礫の約20%が太平洋に流れ出たとみられている(写真は2011年3月、仙台沖) Reuters

 昨年3月に発生したマグニチュード9の東日本大震災で津波から出た2500万トン以上の瓦礫がアメリカの海岸に向かっている。

 米FOXニュースの電子版によれば、家屋やボート、家具など水に浮く津波被害の残骸の多くがこの春から今後2年をかけてアメリカの海岸に到着すると予想されている。

 犠牲者の遺骨などが漂着する可能性もある。

 同サイトが報じたところでは、米国立海洋大気庁(NOAA)とハワイ大学によって作られた模型では、「フロートサム」と呼ばれる瓦礫の一帯がハワイ州やカリフォルニア州、またワシントン州に向かっており、昨年12月にすでに最初の漁船用ブイが漂着している。

 日本の英字紙デイリー・ヨミウリによると、ビーチに到着する瓦礫の環境への影響が懸念されるのに加え、津波による犠牲者の遺品や形見がうち上がる可能性もある。

 カリフォルニア州サンフランシスコの地元テレビ局は、米環境保護庁が大規模になりそうな海岸清掃へ向けての準備を始めている。

放射能汚染の心配なし

「世界の3分の1は太平洋が占めており、たとえ数百万トンの瓦礫といえども今どこにあるのかを見つけるのは至難の業だ」と、米環境保護庁の太平洋南西地域責任者ジャレッド・ブルーメンフェルドは語っている。

 デイリー・ヨミウリによれば、日本の環境省は、東北3県からのすべての瓦礫の20%ほどが太平洋に流されたと見込んでいるという。

 米国海洋大気庁の太平洋諸国地域担当キャリー・モリシゲは、残骸が福島第一原発事故の発生前に流されたため放射能汚染の心配はないとの見解を同庁のサイトで公表した。

 科学サイトのEarthsky.orgは、漂流物は海岸線に到着するまでに分解されたり解体される可能性もあるとしている。

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