最新記事

人身売買

中国で拡大する「赤ん坊市場」の闇

売られた子供は養子や使用人、果ては奴隷にされたり性産業に売られていく

2011年12月8日(木)16時05分
カイル・キム

男児には高値が これも一人っ子政策が生み出した悲劇(写真は安徽省の病院で計量する赤ちゃん) Reuters

 中国が赤ん坊の売買組織摘発に乗り出した。先週の人民日報電子版によると、山東省鄒城の警察は先月、両親によって売られた乳児17人を発見し、13人を養護施設に保護した。

 乳児を売っていたのは「主に四川省の貧困地域出身の出稼ぎ労働者夫婦だ。夫は仕事、妻は赤ん坊を売って稼いでいた」と、鄒城市警察のは言う。

 中国では、子供のいない夫婦は誰からでも養子を取ることができる。ところが一人っ子政策による男児の「高需要」が闇市場を拡大させていると、学識者は指摘する。男児の値段は5万元(約62万円)にもなるが、女児は3万元(約37万円)程度だ。

 買い手の多くは子供か使用人が欲しい家庭とされる。だが問題は子供の売買だけではない。米国務省によれば、中国はあらゆる年齢の人々があらゆる目的(奴隷労働や性産業など)で人身売買される取引の中心地となっている。

 赤ん坊の売買に関しては7月の取り締まり強化以来、これまでに89人が救出され、容疑者369人が逮捕された。今後は、人身売買撲滅のための最低限の国際基準の徹底が必要だろう。

[2011年11月16日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中東情勢を注視、中心的見通し実現すれば政策金利引き

ビジネス

2月消費者態度指数は2.1ポイント上昇の40.0=

ビジネス

政府・日銀協定「見直す状況にない」、具体的手法は日

ビジネス

インドルピー、史上最安値更新 中東紛争でリスク回避
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 4
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 5
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 6
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「日本食ブーム」は止まらない...抹茶、日本酒に「あ…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 10
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中