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メキシコ最大の不法移民はなんとアメリカ人

不法移民の摘発を強化すべきなのは、アメリカよりメキシコのほう?

2010年10月8日(金)14時45分
メガン・コリンズ・サリバン

 アメリカと同様、メキシコでも国内の不法移民の数を特定するのは難しい。それでもメキシコ移民局によると、その大多数はアメリカ人らしい。

 専門家によれば、不法移民の出身国の割合は、合法的移民の出身国の割合に比例するという。メキシコの場合、合法的移民の70%はアメリカ出身で、2番目に多いのはグアテマラ出身の5%だ。

 多くのアメリカ人が滞在期間を決めずにメキシコに入国し、適切な書類も申請せず違法にとどまっていると、メキシコ移民局職員ベアトリース・アンパロ・ペレス・アヤトーレは言う。

 米アリゾナ州でメキシコからの不法移民の摘発を強化する法律が議論を呼び、アメリカの移民政策が注目されているが、メキシコこそ国内の移民法や移民問題に目を向けるべきだとの声も多い。

 メキシコの移民政策に批判的な人は、何千もの移民が中央アメリカから違法にメキシコに入国し、その途中でゆすりやレイプなどの被害に遭っていると指摘する。アメリカ国内の移民よりも、状況はずっとひどいという。

 ただしメキシコでは犯罪を犯すことなく5年間居住すれば、不法滞在者にも市民権獲得のチャンスが与えられる。その点では、アメリカより優しいかもしれない。

[2010年10月13日号掲載]

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