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中国世論

中国の最大の脅威は日本からの投資?

2009年12月17日(木)13時11分
ケイティ・ベーカー

 中国人が最も脅威と感じているものは何か。中国政府は恐らくアメリカと答えるだろう。だが最新の世論調査によると、国民は外国よりも、環境問題や国内問題に脅威を感じているようだ。

 豪ロウイー国際政策研究所と米マッカーサー財団が12月1日に発表した調査によると、回答者の76%が自国への脅威として気候変動などの環境問題を挙げた。その他、67%が水と食糧不足、58%が国内の分離主義者と答えている。

 アメリカを脅威に感じると答えた人の割合は50%。一方で45%は現在も日本に脅威を感じていると答えた(日本が核武装した場合には脅威になると答えた人は61%)。インドやロシア、韓国など他の周辺国はそれほど脅威ではないと考えているようだ。

 それでも、中国人が外国を脅威と感じる分野が1つある。外国政府による投資だ。「もし外国の政府系企業が中国の大企業の株を買い占めたら?」という設問には、日本の政府系企業による投資には79%が反対、アメリカの同様の動きにも70%が反対だとしている。

 回答者の半数以上が政府系企業による投資を許容した唯一の国は、シンガポールだった。中国がアジアにおいて確固たる支配権を獲得しているという自信の表れだろう。

[2009年12月23日号掲載]

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