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「バイ・チャイニーズ」政策がなくても国産品を愛する中国人

2009年7月2日(木)16時08分
メリンダ・リウ(北京支局長)

中国ブランドのほうが安心? Reuters

 アメリカの大型景気対策法案に公共事業における国産品の使用を義務付ける「バイ・アメリカン」条項が盛り込まれた際には、各国から保護主義だとの非難の声が上がった。その急先鋒は中国で、国営新華社通信はこの条項を「毒薬」と評した。

 ところが中国も、総額4兆元の景気対策に伴う政府調達に関し「バイ・チャイニーズ」政策を打ち出していたことが6月に判明、欧米各国から非難を浴びている。

 また6月23日、アメリカとEUは中国が鉱物資源の輸出に課している最大70%の関税は不当な輸出制限であり、国際的な貿易ルールに違反しているとWTO(世界貿易機関)に提訴した。

 これまでも中国は国産品の消費拡大に力を注ぎ、割引券などを利用して国民に国産品を買わせようとしてきた。消費者も愛国心でそれに応じている。

 例えば2月、重慶でタクシー運転手をしている女性が洗濯機を買い替えることになった。彼女が探したのは中国製だった。本人によると、中国製は外国製より維持費が安くつくという。「(米家電大手の)ワールプールやシーメンスの洗濯機のほうが安く買えるかもしれないけれど、中国のブランドのほうが安心できる」と本誌に語っている。

[2009年7月 8日号掲載]

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