最新記事

俳優

ゴズリングにアギレラ、スピアーズまで...子役時代の同期たちは大スターに、私は「イチゴも買えないのが辛かった」

Child Star Days

2024年08月30日(金)15時35分
ビリー・シュワブ・ダン(エンターテインメント担当)

newsweekjp_20240830030358.jpg

イノセンスの仲間たちと(00年)。スターへの道はマネジャー逮捕で閉ざされた RAYMOND BOYD/GETTY IMAGES

デローチは音楽業界との別れを「創造的な傷」と表現する。スピアーズやティンバーレイク、アギレラが世界的ポップスターになり、ゴズリングが大手映画会社の作品に出演するようになるのをよそに、デローチの音楽業界でのキャリアは不発に終わり、コミュニティーカレッジに通う日々だった。

「人生経験をたっぷり積んだのは確か。音楽ビジネスをやっていくなかで、たくさんの教訓を学んだ。信頼している相手でも、(おかしなことをしていないか)よく気を付けなければならない、とかね」とデローチは語った。


デローチはこうも述べた。「当時を振り返ると──私には、ジャスティンやクリスティーナやブリトニー、ライアンたちのようなキャリアは積めなかったわけで。みんなは絶好調で仕事をしているのに、自分はコミュニティーカレッジにいて、(お金がなくて)イチゴも買えないというのは本当につらかった」

家族の病気も「転機」に

デローチはエンターテインメント業界に深い愛情を持っている半面、この業界で働くとはどういうことかも身に染みて分かっている。

「すごく不公平な業界よ」と、デローチは言う。「カオスだし、過酷でさもしい業界なの。この業界では被害者になってはならないという、本当にいい教訓を学んだと思う」

デローチは今では、自分のキャリアに誇りを持っている。これまでにホールマーク・チャンネル系のテレビ局で18本を超えるテレビ映画に主演し、今後も出演作が目白押しだ。


ロサンゼルス小児病院や、認知症患者家族の支援団体であるアルツハイマー病協会で理事や広報担当を務めるなど、自分が大切だと思う活動を行う組織や団体を積極的に支えてもいる。

背景には、17年に第2子が重い先天性の心疾患を持って生まれたことや、父が認知症の一種であるピック病にかかったことがある。

「こういう経験をしていなければ、今の私はないと思う」とデローチは言う。「キャリアが順風満帆だったとしたら、こんなふうに(社会に)お返しがしたいという気持ちが持てたかどうか、そういう活動が人生においてこれほど大きな部分を占めるようになっていたかどうかは分からない」

「15歳の時に夢見ていたようなキャリアを歩んでこられたかといえばノー。私はサンドラ・ブロックになりたかったんだもの」とデローチは言う。

「でも私はやりたいことをやって生活費を稼ぐことができている。副業に手を出す必要もなければ、副業のことを考える必要もなくやってこられた。そんな人生を送れるなんてまさに奇跡よ。私は本当に、本当に恵まれている」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ガザ地区最大都市ガザ市に地上侵攻 国防

ワールド

米、自動車部品に対する新たな関税検討へ 国家安保上

ビジネス

米8月小売売上高0.6%増、3カ月連続増で予想上回

ビジネス

米8月製造業生産0.2%上昇、予想上回る 自動車・
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    「結婚に反対」だった?...カミラ夫人とエリザベス女…

  • 2

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 3

    カミラ王妃が「メーガン妃の結婚」について語ったこ…

  • 4

    日本人の自己肯定感は本当に低いのか?

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    「高慢な態度に失望」...エリザベス女王とヘンリー王…

  • 2

    「結婚に反対」だった?...カミラ夫人とエリザベス女…

  • 3

    やはり「泣かせた」のはキャサリン妃でなく、メーガ…

  • 4

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 2

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 5

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:世界が尊敬する日本の小説36

特集:世界が尊敬する日本の小説36

2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは