最新記事

探検家

世界を舞台に活躍するパイオニア 女性探検家の100年

Trailblazing Women Explorers

2020年11月05日(木)17時10分
キャスリーン・レリハン

バンビューレン姉妹(中央から時計回りに)、クリスティナ・ホイノスカ・リスケビチ、べシー・コールマン、田部井淳子、ネリー・ブライ WWW.VANBURENSISTERS.COM, THE VAN BUREN FAMILY COLLECTION:THE DALLAS MORNING NEWSーTRIBUNE NEWS SERVICE/GETTY IMAGES:BETTMANN/GETTY IMAGES:BETTMANN/GETTY IMAGES:WWW.VANBURENSISTERS.COM, THE V

<今年は女性が参政権を勝ち取ってから100年。世で女性の社会進出が進んだこの期間に、冒険心を持って世界へ飛び出した女性探検家に思いを馳せて...>

8月26日は、アメリカで女性参政権が認められた日を記念して制定された「男女平等の日」。今年は女性が参政権を勝ち取ってから100年という節目の年でもある。そこで、この1世紀に世界を探検した女性たちの足跡をたどってみる。探検家としても、世界を舞台に活躍する女性としてもパイオニアになった人たちだ。コロナ禍で自由な旅は難しくなったが、後に続く女性が現れることを祈りたい。

バンビューレン姉妹

NW_JMP_06.jpg

WWW.VANBURENSISTERS.COM, THE VAN BUREN FAMILY COLLECTION

婦人参政権論者のモーターサイクリスト
ニューヨーク〜サンフランシスコ

オーガスタとアデラインのバンビューレン姉妹は、1916年に女性では初めてバイクによるアメリカ大陸単独横断に成功。60日間、約8850キロの旅だった。この偉業により、第1次大戦での軍の連絡員を女性にも任せる可能性が開けた。


ネリー・ブライ

NW_JMP_05.jpg

WWW.VANBURENSISTERS.COM, THE VAN BUREN FAMILY COLLECTION

72日間で世界一周
ニュージャージー州ホーボーケン

女性の権利拡大を唱えたジャーナリスト。調査報道の先駆者でもあり、ニューヨークのブラックウェル島にあった悪名高い精神科病院に潜入取材し、「(この病院は)入るのはたやすいが、いったん入ったら出てこられない」と書いた。ジュール・べルヌの 小説『八十日間世界一周』に触発されて、1889年に蒸気船、鉄道、人力車、馬、ロバまで使い、72日間で世界一周を達成した。


べシー・コールマン

NW_JMP_08.jpg

BETTMANN/GETTY IMAGES

黒人女性初のパイロット
フランス/ル・クルトワ

1921年、アメリカからフランスへ渡りパイロットの免許を取得。黒人女性初のパイロットであり、黒人初の国際パイロット免許取得者でもあった。アフリカ系アメリカ人と先住民の血を受け継ぎ、「空は偏見のない唯一の場所」という名言を残した。アメリカに黒人のための飛行訓練学校を設立する資金集めにも尽力した。


クリスティナ・ホイノスカ・リスケビチ

NW_JMP_07.jpg

THE DALLAS MORNING NEWSーTRIBUNE NEWS SERVICE/GETTY IMAGES

船で世界一周した初の女性
スペイン/カナリア諸島

船舶建造のエンジニアだったポーランド人のリスケビチは、1978年に女性として初めて船による世界一周に成功。「海のファーストレディー」の異名を取った彼女は、腎臓結石の発作を起こしたり、荒波にもまれたりするなどの苦難にも耐え、2年がかりで約4万6200キロを単独航行。7つの海を横断した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

来年はボラティリティー高く利益上げるチャンス、資産

ビジネス

航空業界、機体確保に障害でも来年過去最高益 IAT

ワールド

米・メキシコ、水問題巡り9日にオンライン会談へ

ワールド

EU加盟国、40年までの温室効果ガス排出90%削減
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    「恐ろしい」...キャサリン妃のウェディングドレスに…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    世界一スキャンダラスな絵画、謎に包まれた「女性器…

  • 4

    レザーパンツで「女性特有の感染症リスク」が増加...…

  • 5

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 1

    「恐ろしい」...キャサリン妃のウェディングドレスに…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    メーガン妃はイギリスで、キャサリン妃との関係修復…

  • 4

    ヘンリー王子の「金欠」をチャールズ国王が心配...最…

  • 5

    世界一スキャンダラスな絵画、謎に包まれた「女性器…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「恐ろしい」...キャサリン妃のウェディングドレスに…

  • 3

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 4

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

  • 5

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:ジョン・レノン暗殺の真実

特集:ジョン・レノン暗殺の真実

2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは