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ギリシャ

経済危機で失業 ピンチをチャンスに変えた夫婦の逆転劇

2019年12月20日(金)18時00分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

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ギリシャの果物を使った新商品を開発中。ほかのエントピア商品と同様に保存料や着色料などは不使用。2020年2月に完成予定  Courtesy of Entopia

いま、販売に興味を示す日本企業があらわれていて、PRの成果は見え始めている。ただし、ギリシャのビジネスの様子が日本企業にあまり伝わっていないため、時間をかけて関係を築いていきたいという。

「たとえば、日本側は、エントピアと単一提携しているオリーブ農家を教えてほしい、生産者の顔も一緒に宣伝して販売したいと言います。ですが、農家は毎年変わる可能性があるのです。オリーブの出来は年によって違います。私たちは、収穫の地域を決めていて、その範囲にいくつか提携先があります。その範囲内で、その年の最高レベルのオリーブを使っているのです」

エントピアは今年、アテネに自社工場を構えた。これにより、販売価格を下げる予定だ。「エントピアは、私の3番目の子供です」と笑うリアナさんの情熱は、いつか日本の企業に届くだろう。


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岩澤里美
スイス在住ジャーナリスト。上智大学で修士号取得(教育学)後、教育・心理系雑誌の編集に携わる。イギリスの大学院博士課程留学を経て2001年よりチューリヒ(ドイツ語圏)へ。共同通信の通信員として従事したのち、フリーランスで執筆を開始。スイスを中心にヨーロッパ各地での取材も続けている。得意分野は社会現象、ユニークな新ビジネス、文化で、執筆多数。数々のニュース系サイトほか、JAL国際線ファーストクラス機内誌『AGORA』、季刊『環境ビジネス』など雑誌にも寄稿。東京都認定のNPO 法人「在外ジャーナリスト協会(Global Press)」理事として、世界に住む日本人フリーランスジャーナリスト・ライターを支援している。www.satomi-iwasawa.com


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