最新記事

バチカン

36年前の失踪少女をめぐるバチカンの闇

2019年07月31日(水)17時10分
ケリー・ウィン

オルランディはどこに消えたのか(写真は2011年) REUTERS

<家族の元に届いた匿名の手紙と天使像の写真。「天使が指さすところを見よ」という文面を受けて、事態は再び動き出した>

1983年、バチカン市国在住の少女エマヌエラ・オルランディ(15)がローマでの音楽レッスンの帰りにこつぜんと姿を消した。オルランディの父親が法王庁職員だったこともあり、バチカンの関与から国際テロ説までさまざまな臆測が飛び交ったが、少女の行方は分からないまま36年がたった。

事態が再び動きだしたきっかけは今年3月、家族の元に匿名の手紙と天使像の写真が届いたこと。「天使が指さすところを見よ」という文面を受けて、捜査当局は7月11日、バチカン市内のテウトニコ墓地にある王女2人の墓を掘り起こしたが、中身は空だった。ところがその後、地下に2つの納骨堂が見つかり、その中から数千の骨が発見された。法医学者は数十人分の人骨である可能性を示唆している。

この中にオルランディの遺骨は含まれているのか。捜査当局は骨のDNA鑑定と年代測定を行う予定だが、もしも比較的最近の骨が発見され、それがオルランディのものでないと判明すれば、一体誰の骨なのか。謎は深まる一方だ。

【参考記事】バチカンが認めた「隠し子」マニュアルの存在
【参考記事】避妊薬の服用法にバチカンへの「忖度」があった!?

20190806issue_cover200.jpg
※8月6日号(7月30日発売)は、「ハードブレグジット:衝撃に備えよ」特集。ボリス・ジョンソンとは何者か。奇行と暴言と変な髪型で有名なこの英新首相は、どれだけ危険なのか。合意なきEU離脱の不確実性とリスク。日本企業には好機になるかもしれない。

[2019年8月 6日号掲載]

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米「夏のブラックフライデー」、オンライン売上高が3

ワールド

オーストラリア、いかなる紛争にも事前に軍派遣の約束

ワールド

イラン外相、IAEAとの協力に前向き 査察には慎重

ワールド

金総書記がロシア外相と会談、ウクライナ紛争巡り全面
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    キャサリン妃の「目が泳ぐ」...ジル・バイデン大統領…

  • 3

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 4

    「ハイヒールを履いた独裁者」メーガン妃による新た…

  • 5

    加工した自撮り写真のように整形したい......インス…

  • 1

    加工した自撮り写真のように整形したい......インス…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 4

    カーダシアンの顔になるため整形代60万ドル...後悔し…

  • 5

    キャサリン妃の顔に憧れ? メーガン妃のイメチェンに…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 3

    加工した自撮り写真のように整形したい......インス…

  • 4

    なぜメーガン妃の靴は「ぶかぶか」なのか?...理由は…

  • 5

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:大森元貴「言葉の力」

特集:大森元貴「言葉の力」

2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る