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メリットばかりじゃないーー「フレックス勤務は男女格差解消に逆効果」という落とし穴

Working Toward Gender Equality

2018年08月13日(月)17時15分
ブリジッド・シュルティー(ニューアメリカ財団ベターライフ研究所所長)

男女の役割分担についての意識の変化

ミレニアル世代は共働き夫婦が多く、家事の分担に抵抗がない。こうした意識の変化を背景に、EYでは模範的な社員のイメージが一変したと、ゴッケルは言う。それは例えば男女を問わず柔軟な就労形態で働き、ボランティア活動や子育て・介護を担いつつ、仕事できちんと成果を出している人だ。

子育て支援など政策の充実

有給の育児・介護休暇制度があり、低料金で質の高い保育サービスを利用できれば、フレックス制は職場の男女格差の解消に役立つ。子育てや介護を社会で支える仕組みがあれば、人々の意識や文化が変わるからだ。

その証拠に北欧諸国で暮らすロシア系移民は男女平等に理解があるが、ウクライナで暮らすロシア系移民やギリシャのドイツ系移民は男女の伝統的な役割にこだわる傾向があることが最近の調査で分かっている。

情報通信技術の普及と経済のグローバル化

この2つが働き方を柔軟なものに変えつつあると、企業のフレックス制導入を支援しているメイナー・モラレスは言う。例えば世界各地に拠点を持つ企業にとっては、自国時間の9時から5時という勤務形態は既にほとんど無意味になっている。

「仕事をしていない時間」についての意識の変化

現代人はつい仕事以外の時間を「余暇」として、非生産的な時間のように見なしがちだ。でも考えてみてほしい。私たちは働くために生きているのか。

自分や他者をいとおしむ時間、人とつながり、感動し、呼吸する時間。そんな時間を大切にすることで、フレックス制は男女平等を、ひいては心豊かな生活をもたらすだろう。

[2017年11月21日号掲載]

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