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キャリアアップの弊害なんて、こうあしらえ! 20代、30代女性リーダーの実体験

2018年07月27日(金)18時30分
西川彩奈(フランス在住ジャーナリスト)

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Girlbossのプレジデント、アリソン・ワイアット氏。2児の母でもある。(Photo:Girlboss)

▼アリソン・ワイアット氏の履歴書

8度の転職の末に掴んだ、自分に合った会社での「プレジデント」の役職

22歳 アパレル会社「Liz Claiborne Inc」に入社。マーチャンダイズ・マネジャーのアシスタントをする。
23歳 「Time Inc.」に転職。雑誌、「In Style」のセールス・アシスタントとして働く。
24歳 雑誌「ELLE」に移り、セールス・マネジャーとして働く。
27歳 新興メディア「Refinery29」に転職。
31歳 主人の転勤に伴い、ニューヨークからロサンゼルスに移る。妊娠4カ月目で、ライフスタイルサイト「Goop」に就職。
33-34歳 コンサルタントに転職。2人目を妊娠。
コンサルタントのクライアントだったソフィア・アモルーソ(米国の女性起業家)のプロジェクトで、女性を応援するコンテンツを発信するメディア事業「girlboss」に惚れ込み、同社のプレジデントに就任。

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Girlbossのオフィスの様子。(Photo:Girlboss)

壁1:毎日のルーチン化

解決策:有休をとるなど、「ゆとりを持てる時間」をつくって自分に向き合う

「キャリアが加速している最中に、ペースを一時的に落とすことで、『今後の飛躍』への道が見えることがある。第一子の出産後、仕事と育児のバランスを見つけるため、出張の多かった前職を辞め、時間に融通の利くコンサルタントの仕事を始めた。考えるゆとりができた結果、自分に合った現職(Girllboss)との縁が巡ってきた。会社に勤めている人は、上司に有給休暇を頼み、自分が何を欲しているか向き合う旅に出るのを勧める。そして、毎日がルーチンに感じている場合、どこに明るい未来へのきっかけがあるかわからないから、アンテナを張ること。今のクライアントや取引先が、人生を180度変える、仕事のパートナーになる可能性は大いにある」

壁2:結婚・出産

解決策:母親になることで、仕事に役立つスキルも伸びる

「30歳で結婚。主人は野望があり、私は情熱に溢れている――。一緒にいることで、大きな目標を追いかけるパワーを与えてくれる相手だ。夢に向かって必死にキャリアを築いてきた私にとって、母になるという変化は人生で一番大変だった。しかし、母親になることで、仕事へのいい影響もある。強い責任感が芽生えること。そして、時間管理も上手になる」

壁3:人間関係

解決策:ネガティブなパワーに引っ張られず、「人生で大切なこと」を考える

「過去に、ある女性上司が、私に仕事を辞めさせようとし、部下や同僚の前でわざと恥をかかせようとした。当時私は、マネジャーとして部下たちを率いる一方、この問題に対処しないといけなかったので精神的に辛かった。そこで学んだ対処法が2つ。

・「人生で一番大切なこと」を見失わず、目立たないようにして、前に進み続ける。
・一歩距離を置いて、相手がモラハラをする動機を想像してみる。

あまりに酷い状況な場合、人生は短いから、今いる場所から抜け出すべきだと思う。天と地の差のように、価値が評価され活躍できる場所があるから、相性のいい会社に行くといい」

壁4:自信を失う

解決策:毎日、自分が「頑張ったこと」を思い返す

「自信は、努力の継続で得ることができるもの。しかし、どんな人でも自信を失う瞬間がある。特に女性は、自分のミスや短所をより責めてしまいがちだ。そんな時、私のアドバイスは以下の4つ。

・毎日、大小関係なく自分の1日の『勝利』を見返す時間をつくる。
・自分の長所を尊敬してくれる友人・恋人と会う。
・成長しているときこそ、一番自信を失いやすい。慣れないことに挑戦しているからだ。
・自分自身の殻を抜け出し、誰かの力になる」

▼アリソン・ワイアット氏が推薦するキャリアアップにお勧めのウェブサイト
Girlboss」では、女性のキャリアに役立つ記事を多数発信している。


ayananishikawa-01.jpg[執筆者]
西川彩奈
フランス在住ジャーナリスト。1988年、大阪生まれ。2014年よりフランスを拠点に、欧州社会のレポートやインタビュー記事の執筆活動に携わる。過去には、アラブ首長国連邦とイタリアに在住した経験があり、中東、欧州の各地を旅して現地社会への知見を深めることが趣味。女性のキャリアなどについて、女性誌『コスモポリタン』などに寄稿。パリ政治学院の生徒が運営する難民支援グループに所属し、ヨーロッパの難民問題に関する取材プロジェクトなども行う。日仏プレス協会(Association de Presse France-Japon)のメンバー。
Ayana.nishikawa@gmail.com

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