最新記事

SNS

趣味が同じ人が近くにいたら知らせてくれるソフト?

そんなうるさいアプリはいらない?──でもモバイル機器とSNSをを組みわせた新プラットフォーム「so-mo(ソーシャルモバイル)」は既に大人気の予感

2012年5月8日(火)17時05分
ダニエル・ライオンズ(テクノロジー担当)

使うか否か? 今年のソーシャルモバイルはお節介アプリの宝庫 Social Media Cell Phone Concept

 テキサス州で毎年この時期に開催されるサウス・バイ・サウスウェスト・インタラクティブ・フェスティバルはネットおたくの祭典というだけでなく、ソフトウエアがデビューする場でもある。

 毎年ここでいくつかの新しいアプリケーションが評判を呼び、一気に有名になる。あのツイッターも、ここで評判になったことがきっかけで知名度を上げた。

 今年、専門家たちがヒットを予想したのはiPhone向けの新アプリ「ハイライト」。GPSとフェイスブックの情報を基に、自分と趣味が同じ人や友人が近くにいたら知らせてくれるサービスだ。例えば、カフェにいるときに「同僚が外を歩いている」とか、「隣の隣のテーブルの女性があなたの妹の同窓生だ」とか教えてくれる。

 ハイライトのポール・デービソンCEOは、「新しい知り合いを見つける方法は、これまですごく非効率的だった」と言う。ハイライトが目指すのは「そこにあるのに見えていないコネクションを教えてあげること」。

 SNSの情報を活用してネット上の生活と実生活をつなげるこうしたサービスは、ソーシャル・ネットワークの次段階として一部では「ソーシャル・ディスカバリー」とも呼ばれている。

 同様のサービスは複数あり、なかでもハイライトに一番よく似ているのが、その種のサービスとしては最初に発表された「グランシー」だ。アンドロイドでもiPhoneでも使えて、消費電力も少ない(ハイライトはiPhoneでしか作動せず、一番の問題はバッテリーを食うことだ)。

 多くの人がこれらのアプリケーションに魅力を感じるのは、モバイル機器とソーシャル・ネットワーキング・ソフトを組み合わせた「so-mo(ソーシャルモバイル)」という新プラットフォームの力だ。so-moは急速に普及しており、近い将来パソコンをしのぐといわれている。グランシーのアンドレア・バッカリCEOは、すべての人がポケットにso-moアプリを携帯して情報の送受信を行う時代がやって来る、と予想する。

 バッカリは今、このところ水をあけられているハイライトを出し抜くべく、グランシーの改良を急いでいる。「ワクワクする時代だ」と彼は言う。確かにそうだが、変化の時代に付いていくのは大変でもある。しかも変革の時代は始まったばかりだ。

[2012年3月21日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

米安保戦略、ロシアを「直接的な脅威」とせず クレム

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中