最新記事

米大統領選

オバマ演説に学ぶ「希望の政治経済学」

アメリカだけでなく、アメリカと同じ問題を抱えた先進諸国の人々が待ち望んでいる政策をオバマは語った

2012年1月26日(木)16時57分
トーマス・ムチャ

公平な機会を 中間層の活力を取り戻すと訴えて支持率を挽回(一般教書演説、1月24日) Saul Loeb-Pool-Reuters

 バラク・オバマ米大統領は一般教書演説で、再選を懸けた大統領選に向けて戦いの火蓋を切ったと言えるだろう。オバマは中間層への支援や富裕層への増税を打ち出し、富裕層増税に反対する共和党との対決姿勢を鮮明にした。共和党の候補者が誰になるかはまだ分からないが、弱肉強食を是とする彼らの経済政策は「残酷だ」と、オバマは暗に訴えたのだ。

 すべての国民に公平な機会を与えることを強調したオバマの経済政策は、無党派層の心をつかんだ。11月の本選で彼が再選できるかどうかの鍵を握る浮動票だ。

 少なくとも民主党系の「デモクラシー・コープス」が行った世論調査からは、その傾向が読み取れる。

「デモクラシー・コープス」が行った世論調査

 どの数字を見ても良い結果につながっている。特に「中間層向けの政策」で評価が24ポイントも上がっているのが目を引く。

 経済格差の問題は、昔はつまらない経済学者だけが議論するトピックだった。しかし「ウォール街占拠運動」をきっかけに、格差は大きな社会問題として世間の注目を集めるようになった。そしてその対策、格差の是正こそがまさにオバマ再選に向けた重要戦略になっている。


GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

世界の石油市場、26年は大幅な供給過剰に IEA予

ワールド

米中間選挙、民主党員の方が投票に意欲的=ロイター/

ビジネス

ユーロ圏9月の鉱工業生産、予想下回る伸び 独伊は堅

ビジネス

ECB、地政学リスク過小評価に警鐘 銀行規制緩和に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 8
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 9
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 10
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中