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報道の自由を捨て去ったNYタイムズの失態

ウィキリークスの情報を報道してアメリカ人の命を危険にさらした、という非難はお門違い。真の過ちは別のところにある

2010年12月8日(水)19時36分
小暮聡子(本誌記者)

名門の名折れ 「メディアの独立性」を守る気概はどこへ(本社ビル) Shannon Stapleton-Reuters

 内部告発サイト「ウィキリークス」が入手した米国務省の外交公電をスクープしたのは欧米の5紙。うち唯一の米紙ニューヨーク・タイムズに、アメリカの読者から批判が殺到している。国家機密を暴露したことで「国民の命が危険にさらされる」というのだ。

 米政府にとってウィキリークスは「情報のテロ組織」。ニューヨーク・タイムズは、そのウィキリークスの「メディアパートナー」に成り下がった反逆者だ──同紙に対するコメントは、こうした怒りに満ちている。

 だが実際、ニューヨーク・タイムズは米政府にとって「助っ人」の役割を果たした。ウィキリークスが外交公電約25万点をサイトで公表し始めるよりも前に、同紙はメディアとしての独立性を放棄してまで、オバマ政権にその公電を見せたのだから。...本文続く

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[2010年12月15日号掲載]

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