最新記事
考古学

古代エジプト時代に沈没した「豪華遊覧船」が地中海海底で発見される...正体は「太陽の船」?

Archaeologists Discover Wreck of Nearly 2,000-Year-Old Pleasure Boat

2025年12月9日(火)17時50分
スー・キム

<紀元50年頃に何かが起こっていた?>

沈没船が見つかったのは、アレクサンドリアのポルトゥス・マグヌス内にあるアンティロドス島の港。

アンティロドス島にあった王宮には、女王クレオパトラとその恋人であったローマの将軍マルクス・アントニウスといった歴史上の著名人物が滞在していたと考えられている。


今回発見された沈没船に関する調査はまだ初期段階だが、IEASMは「ローマ初期のエジプトにおける水上の生活、宗教、贅沢、享楽の様子を垣間見せてくれる極めて興味深い発見だ」と述べている。

ゴディオも、「この興味深い沈没船は、アレクサンドリアの運河を航行するために使われていた可能性もある。一方、アンティロドス島のイシス神殿の発掘現場に非常に近い場所で発見されたため、紀元50年頃にこの神殿が(何らかの要因で)壊滅的な破壊を受けた際に沈んだのかもしれない」としている。

さらに「宗教儀礼のために神殿側が所有していたものであり、イシスを称える祭礼航海『ナビギウム』の中で、豪華に装飾され、太陽の船の象徴として登場したのかもしれない」と、この船が儀式に用いられていた可能性も指摘した。

「この船は、毎年のイシス神に関する儀式的な航海を行っていた。アレクサンドリアのポルトゥス・マグヌスからカノープス(アレクサンドリアから東に20キロほどの位置にあった古代都市)のオシリス神殿まで、カノープス運河を通って航行していたのだ」

こうした遊覧船の中で最も有名なのは、プトレマイオス朝の豪華な浮かぶ宮殿のような船だ。有名なのはクレオパトラ7世の船であり、紀元前47年の春、彼女がユリウス・カエサルにエジプトを案内するためにこの船を用いたと言われている。
古代のエジプト人は、地中海を航行しながら何を思っていたのだろうか。

【関連記事】
【動画】ピラミッドで見つかった未知の空洞
【動画】ピラミッドで見つかった未知の空洞

ニューズウィーク日本版 教養としてのミュージカル入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月17号(3月10日発売)は「教養としてのミュージカル入門」特集。社会と時代を鮮烈に描き出すポリティカルな作品の魅力[PLUS]山崎育三郎ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、1000件減の21.3万件 雇

ワールド

中国とキューバ、二国間関係強化で合意 外相が電話会

ビジネス

米1月の貿易赤字、25%縮小 輸出が過去最高を更新

ワールド

イラン新指導者が初声明、ホルムズ海峡封鎖で「圧力」
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 3
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 4
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 5
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 6
    2万歩でも疲れない? ディズニー・ユニバで足が痛く…
  • 7
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 8
    ハメネイ師死亡が引き起こす「影の戦争」――中東外で…
  • 9
    ヘンリー王子夫妻が4月に豪州訪問へ、メーガン妃は女…
  • 10
    ノルウェーに続いてカナダでも...またしても在外米領…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中