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命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」

2026年2月19日(木)18時55分
樋口 恵子 (東京家政大学名誉教授/NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」名誉理事長*東洋経済オンラインからの転載)

3つめは「お金」。人はなかなか、ぽっくりとは死ねないものです。そのため高齢になると、なにかと医療費がかさむように。結果的に貯金が少しずつ減っていく可能性があります。

4つめは「家」。持ち家があるからなんとかなると思っていても、家の老朽化で住めなくなることもあります。人口減少社会で不動産の価値もどうなるか。あるいは家を手放し、老人施設などに入る選択をする場合もあるでしょう。

失うものばかり考えていると、気が滅入ってくる方もいるかもしれません。でも、大丈夫。失ったものを補う方法は、いろいろあります。


まずは「そうか、こういうことが起きるんだ」と心の準備をしておくこと。覚悟をしておけば、いざというときパニックにならないですみます。

貧乏ばあさん防止作戦(BBB)

職場でがんばって働いてきた女性たちも、男性に比べて低賃金だったり、非正規雇用だったりで十分な収入がない、あるいは子育てや介護で就労年数が少ないなど、十分な年金を得られない人が多いのが現実です。

なぜなら、働く女性には職場からすべり落ちる「3つのすべり台」があり、たとえ正規雇用で仕事をスタートさせたとしても、離職せざるをえないケースが多いからです。

第1のすべり台は、妊娠・出産。働いている女性のなかには、ここでやめてしまう人が少なくありません(現在は育児休業制度がありますから、変わってくるでしょう。やめないでください)。

第2のすべり台は、夫の転勤・転職、離婚など。最近は夫のリストラで、夫のほうがすべり台から落ちてしまうケースもあります。

第3のすべり台は家族の介護。介護を理由に離職する人のうち圧倒的多数はいまも女性です(男性も増えていますが)。

このように、女性ならではのすべり台が生涯に少なくとも3回はあります。本来、このすべり台をすべり降りる前に、あるいは落ちてももとのコースに戻れるよう、政策でもって女性に笠をかぶせてあげる必要があります。名付けて「女性の三度笠」。

第1のすべり台に関しては、男性の育児休業、パパの産休などだいぶ制度化が進んできました。ですから、これから子どもを産み育てる世代は、政策と夫の双方から笠をかぶせてもらえるでしょう。

第3のすべり台に関しても、まだ十分とは言えませんが、介護休業制度などが充実しつつあり、介護離職ゼロ作戦は政府の経済政策に含められました。

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