最新記事
認知症

かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム

2025年10月7日(火)16時32分
山田悠史(米国老年医学・内科専門医) 新里百合子( ライター)*DIAMOND Onlineからの転載

認知症リスクが高い可能性がある人のかばんの中身

(1)イヤホン

まずは、先ほども言及したイヤホンですね。例えば、窓を開けた地下鉄の中は、難聴リスクが高まる80デシベルを超える環境です。その音に負けないようイヤホンの音量を上げると、さらにリスクは高まります。


(2)スマートフォン(受動的な使用を中心とした場合)

スマートフォンは、活用の仕方によって認知機能への影響がプラスにもマイナスにも働く可能性があります。SNSを長時間見ることは、うつ病のリスクを高める可能性が指摘されています。そして、うつ病もまた、認知症のリスクであることが知られています。例えば、ある大規模な研究では、うつ病のある人は認知症のリスクが約2倍になると報告されています。

(3)たばこ
約96万人のデータを扱った大規模な研究では、喫煙者は非喫煙者と比較して、認知症リスクが約30%増加することが報告されています。たばこが肺気腫や肺がんの原因になることはよく知られた事実ですが、そこに認知症という病気のリスクも加えておく必要があります。

(4)甘い飲み物のペットボトル
1日1本以上の砂糖入り清涼飲料水を飲む女性は、月に1本未満しか飲まない女性と比べて、糖尿病発症リスクが1.83倍になると報告されています。糖尿病、中でも2型糖尿病は、認知症発症のリスクを高める重要な要因として知られています。

(5)"ウコン系"などのサプリメント類
「酒の飲みすぎ前提」で摂るサプリには、生活習慣そのものが不健康である可能性が潜んでいます。過去の研究によると、週に約168グラム以上のアルコールを摂取する人は、それより少ない量を飲む人と比べて、認知症のリスクが約18%高くなるそうです。

アルコールの量を缶ビール(350ml)に換算してみると、1日あたり約2本以上飲む人が「週に約168グラム以上のアルコールを摂取する人」に該当する、ということになります。晩酌や飲み会などで、それ以上飲む習慣がある人は、飲酒量を見直す目安にしていただければと思います。

(6)書籍や資料など勉強するものが一切ない
大人になってから勉強をやめたり、知的な活動に参加しなくなったりすると、脳への刺激が減少します。脳は使わないと機能が低下する臓器であり、日々の生活で頭を使う機会が少なくなると、認知機能が徐々に衰えてしまいます。

一方で、仕事や日常生活での認知的な刺激、つまり頭を使う活動が豊富である人は、認知症のリスクが低いことが知られています。ただ、脳トレやパズルなどの効果は極めて限定的で、認知症を防ぐ長期的な効果はいまだ示すことができていません。仕事以外でも、「継続的に新聞や本を読む」といった、知的な活動が重要です。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、ウクライナ和平案の感謝祭前の合意に圧力 欧州は

ビジネス

FRB、近い将来の利下げなお可能 政策「やや引き締

ビジネス

ユーロ圏の成長は予想上回る、金利水準は適切=ECB

ワールド

米「ゴールデンドーム」計画、政府閉鎖などで大幅遅延
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体制で世界の海洋秩序を塗り替えられる?
  • 3
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワイトカラー」は大量に人余り...変わる日本の職業選択
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 7
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 8
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中