「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア

Andrii Zastrozhnov -shutterstock-
<年を重ねても、性は「生きる力」だ。医師の和田秀樹氏は、「マスターベーションは恥ずべき行為ではなく、心身の健康を保つ鍵であり、高齢者の生きがいや介護予防にもなる」と語る>
熟年が心身ともに健康に過ごすには何をすればいいか。医師の和田秀樹さんは「射精しすぎると頭が悪くなる、禿げやすくなるというのは全くのデマである。
マスターベーションはEDの予防や前立腺がんのリスク減少につながるだけでなく、生きることの喜びや安心感にもつながる。要介護高齢者を減らすという点では、国を救うことにもなる」という――。
※本稿は、和田秀樹『熟年からの性』(アートデイズ)の一部を再編集したものです。
マスターベーションは心身にとって「いいことだらけ」
年をとってくると性的な能力も弱くなって、うまく女性と合わせることができなくなってきますから、射精さえすれば私はマスターベーションでもいいと思っています。
マスターベーションをすることで筋肉低下も防げ、男性ホルモン(テストステロン)も増えて元気になり、社交性も高まって人付き合いもよくなり、意欲的になるなど「いいことだらけ」です。
マスターベーションというのは、要介護高齢者を減らすという点では、大袈裟にいえば、国を救うことにもなると私は思っています。
70年をすぎた患者の方から、「まだマスターベーションが止められない。自分は病気ではないか」といった質問を受けたことがあります。
「病気なんて、とんでもない。いたって健康です」と、お答えしました。
性的能力が保たれるためにはマスターベーションは非常に大事なものですから、年をとってマスターベーションがまだできるということを、もっと喜んでいいと思います。
「性的に若い=実際に若い」ということですから、むしろ高齢者にはおすすめしたい行為と思っています。
マスターベーションを恥ずかしがることはありません。
ただ、70歳とか80歳の高齢者が「俺はまだセックスができるんだ」と自慢しても、「俺はまだマスターベーションをしてるんだ」とは、なかなか言わないものです。やはりマスターベーションなるものが恥ずかしいものだという意識があるからでしょう。
日本も特にマチズモ(男性優位主義)というもののなかで、ある時期まで男が強かった時代は、女にいかにもてるかということが男たる者の値打ちのように思われていて、例えば「千人斬り」とかが自慢になっていました。そんな時代には、マスターベーションをしている奴はダメな奴、女にもてない奴という考えもあったかと思います。