「朝の歯磨きは食前・食後?」 歯科医師・医師が教える毎日の正しい歯磨き習慣で腸内環境も改善する

2024年3月11日(月)11時46分
栗原毅(医師)栗原丈徳(歯科医師) *PRESIDENT Onlineからの転載

【舌苔の歯周病菌を除去する舌みがき】

歯ブラシと歯間ブラシ(もしくはフロス)によるオーラルケアが効果的だといいましたが、もう1つだけやってほしいことがあります。それは舌をみがくということです。

舌の表面に白い苔状のものが付着していることがあります。これは「舌苔ぜったい」といって、皮膚でいう垢のようなものですが、ここにも歯周病菌がいるのです。

せっかくプラークを除去できたと思っていても、口の中はつながっているので、舌苔で繁殖した歯周病菌が、唾液を介して、きれいにした歯や歯周ポケットに戻ってきます。それでは時間をかけて歯みがきをした意味がありません。

ですから、舌みがきは必ずやってほしいと思います。

また、舌苔が厚くなると、舌の表面の味を感じるセンサーの役割をしている味蕾みらいを覆ってしまうことになります。

そうなると、繊細な味の感覚がわからなくなってしまう可能性があります。おいしく食べるためにも舌苔は取ってほしいと思います。

著者の1人(栗原毅)は、ある著書で「舌苔はぜったいに取らないといけない」と書いたことがあります。「舌苔を絶対取る」というと、歯ブラシでゴシゴシやる人がいるようなので表現を改めたいと思います。

【神経質にみがきすぎるのはNG】

舌をゴシゴシやると舌の表面に傷がついてしまうので、注意しましょう。舌苔を取るときは、ガーゼを指に巻いて、優しく拭き取るか、専用の舌ブラシを使うとよいでしょう。

img_848d6dd0aacdc8486b80baf05db879f6554211.jpg

図表1 舌苔の歯周病を一掃 舌磨きのやり方(出所=『70歳の壁を越える 食べる力』

舌苔がついていないところはみがく必要がないので、舌みがきをするときは、鏡を見ながら行ってください。

舌がきれいな薄いピンク色になるのが理想です。ただピンク色にならないからと神経質になってみがきすぎる人がいるかもしれません。

やわらかい舌ブラシでも、やりすぎると味蕾を傷つける可能性もありますし、強い刺激によって舌の粘膜が角化して硬くなり、よけいに苔がつきやすくなることもあるので注意しましょう。

舌みがきは、舌の奥から手前に5~6回くらいやれば十分です。夜寝る前のオーラルケアの最後に必ず行ってください。

また前述したように、歯周病菌は夜寝ているときに繁殖しますから、起床後のオーラルケアでも行いましょう。

舌みがきを毎日行っていると、歯周病の予防効果が高まるだけでなく、口臭の予防にもなります。

※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
presidentonline.jpg

ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本の小説36
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月16日/23日号(9月9日発売)は「世界が尊敬する日本の小説36」特集。優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ネパールで「Z世代」デモ、19人死亡 SNS禁止に

ワールド

イスラエル、米のガザ停戦案受け入れ

ビジネス

インドネシア新財務相、8%成長も「不可能ではない」

ビジネス

インドネシアのスリ・ムルヤニ財務相を解任、後任にプ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給与は「最低賃金の3分の1」以下、未払いも
  • 4
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 5
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 6
    コスプレを生んだ日本と海外の文化相互作用
  • 7
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 8
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 9
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 10
    今なぜ「腹斜筋」なのか?...ブルース・リーのような…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 7
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 10
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中