月5万円の年金生活で「若がえった」71歳 「今が一番幸せ」を実現した5つの秘訣

2022年10月16日(日)13時11分
紫苑(フリーランサー) *東洋経済オンラインからの転載

リメイクはもちろん、ファッション代を浮かせるためです。リメイクについては、着物に夢中になっていたときから興味を持ち始めました。夢中になり始めたばかりの頃は知識がなく、サイズが合わない、フリマで買ったもののまったく色や材質が違うといったことが頻繁にあり、でも捨てるには忍びなく、ほかのモノに変身させ始めたのです。

それまではブランド物も欲しいなあと物欲のカタマリでしたが、今では買うより作るほうが楽しい生活です。買うは一瞬の喜びですが、作るのはそのプロセスも楽しく、出来上がったモノも世界に一つしかない。それに「この着物やシャツを、こうしようと」とひらめいたときには、脳が若がえったような気がします。

reuters__20221014170016.png

リサイクルショップで買ったユニクロのワンピースに刺し子の襟を付けて(写真:林ひろし)

節約するときは「数字」から入らない

④節約は無理したり、我慢したりしなくても楽しくできるとわかった

「節約」という言葉が嫌いでした。実際に「節約生活」は苦手でした。今も苦手です。私はとにかく数字に弱く、数字を前にすると頭がくらくらしてくるのです。大きい数字は心理的に負担に感じ、小さい数字は不安が襲ってくる。お金に向き合うと平静ではいられないのです。だから、なるべくお金というものからは逃げたい、避けたいという気持ちになっていました。

ですから1万円食費、プチプラ生活を始めたときも食費を減らそう、生活費を切り詰めようと「数字」から入ったわけではなく、「安く美味しい食材は何だろう」と「とにかくお金は遣わない」というこの2点だけから始めました。

日々の生活のなかで、「今日は何を食べよう」「どんなふうにすれば美味しくできるかな」と毎食の食事作りに集中していたのです。味付けも食材も自分の好み、値段が安い上に美味しい食生活はストレスフリーの生活です。そのせいか、ストレス買いもなく、ストレス食もなくなりました。

スイーツは大好きでしたから、最初はベッドに入っても夜中にスイーツの夢を見て、突然目が覚めたこともありました。それも少しずつ収まり、今ではあまりに甘いものを口にすると逆に気分が悪くなるほどになっています。

節約は無理しなくてもできるとわかるようになると、もう一歩進んで楽しむようになりました。自分で工夫することが楽しみになってきたのです

お金がないことが「苦境」「辛いこと」だとしたら、節約はそれを乗り切るための方法の1つです。そしてそれを楽に実行するにはズボラなくらいのほうが楽しい。あまりに細かい節約は息が詰まるようで、私にはストレスになり、すぐに止めていたと思います。

お金のことはひとまず棚に上げ、目の前の美味しいモノ、面白いことにだけに集中する方法は私には合っていました。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 5

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 6

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 7

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中