「俺たちはただの人間だ」――BTSが新アルバム『ARIRANG』に託した想い、全14曲を【徹底分析】
“ARIRANG”: ROOTS AND FUTURE
「FYA」はジャージークラブと呼ばれる音作りだが、このジャンル特有のリズムを下敷きにしつつも、熱い息遣いやエンジンらしき音をミックスしているのが面白い。テーマは「熱気」だろうか。ヒートアップする心と体を冷やすかのごとく涼しげな音を入れるあたりにセンスの良さを感じる。
「2.0」はミニマルなビートを繰り返しながらコーラスパートではリズムが変化するクセのあるヒップホップ。カムバック直前の心境を歌ったようだが、表現はやや難解だ。ポップな要素が少ないこのようなナンバーを違和感なくやれるのも、BTSの魅力の1つと言えよう。
国宝の鐘の音を聴かせる
ビートルズの名曲「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のエンディングにも似た粋な使い方だと個人的に思うのが、「No. 29」だ。
これはオリジナルソングではなく、韓国で最も大きい釣り鐘で国宝第29号に指定されている「聖徳大王神鐘」の音。鳴らした音をしっかりと聴かせることで、韓国人の誇りと美意識を示したかったのだろう。
アルバムのリードトラックである「SWIM」は、人生という荒波に負けずに泳ぎ続ける姿勢を歌いつつ、混迷した時代への不安もにじませる。
ドリーミーな雰囲気で、どことなくインディーズの香りが漂うのは作曲に参加したメンバー、RMの好みが反映された結果だと推測する。





