最新記事
インタビュー

人種問題に切り込んできたスパイク・リー監督が語る「アメリカ社会の現在地」...作品には「今も力がある」

Lights, Camera, Civil Rights Action

2024年11月30日(土)11時27分
デビン・ロバートソン
スパイク・リー監督が語るアメリカ公民権運動

作品を通じて人種平等や正義を訴えてきたこれまでの活動を認められ、リーは10月にフリーダム賞を受賞した COURTESY OF THE NATIONAL CIVIL RIGHTS MUSEUM/BRANDON DILL

<『マルコムX』『ドゥ・ザ・ライト・シング』......。黒人の日常や文化を描く多くの映画を通じ、公民権を推進してきたスパイク・リー監督インタビュー>

スパイク・リーは映画監督として長年、アメリカの黒人社会が直面するテーマに深く切り込んできた。1986年のデビュー作『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』をはじめ、高い評価を得た89年の『ドゥ・ザ・ライト・シング』など、監督だけでなく脚本や製作を務めた作品も多い。

リーは、この『ドゥ・ザ・ライト・シング』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされるなど、早くからその実力を業界でも認められてきた。


ただしアカデミー賞の受賞までこぎ着けたのは、デビューから30年以上がたった2019年の『ブラック・クランズマン』での脚色賞だった。それも4年前にガバナーズ賞という名誉賞を受賞した後という、奇妙な順番だった。

ニューヨークで育ったリーは、NBAのニューヨーク・ニックスの大ファンとしても知られ、試合はほぼ欠かさず最前列で応援している。その一方で、「バスケットボールの神様」ことマイケル・ジョーダン(現役時代の所属チームはシカゴ・ブルズ)との付き合いも長い。

きっかけは、ナイキがジョーダンのために作ったシューズ「エアジョーダン」を、リーが『ドゥ・ザ・ライト・シング』で取り上げたこと。その後リーは映画の登場人物に扮して、エアジョーダンのCMにも出演している。

後にリーが伝説的な黒人解放運動指導者の生涯を描く『マルコムX』の製作中に資金難に陥ったときは、ジョーダンが多くの黒人セレブらと共に資金援助を申し出た。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米失業保険継続受給件数、10月18日週に8月以来の

ワールド

中国過剰生産、解決策なければEU市場を保護=独財務

ビジネス

MSとエヌビディアが戦略提携、アンソロピックに大規

ビジネス

英中銀ピル氏、QEの国債保有「非常に低い水準」まで
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 10
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中