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コロナで劇場公開断念したディズニー「ムーラン」 香港デモやウイグル問題で炎上しつつ華咲くことはできるか?

今年3月ヨーロッパ・プレミアに登場した『ムーラン』主演のリウ・イーフェイ(中央)とニキ・カーロ監督 REUTERS/Henry Nicholls

<「アナ雪」「アラジン」「女と野獣」といったディズニー作品は子供たちが劇場公開を楽しみにする作品。だが今度の新作は、なぜか作品以外のことが話題になって──>

今年は世界中に新型コロナウイルスの感染が拡大すると共に、様々な映画作品に影響が出てしまった。特に世界的ヒットが見込まれると期待された『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』や『ワイルドスピード9』など大作であればあるほど、映画館への客足が遠のいた状態で公開することはできないという判断で、次々と延期が発表されている。それにより映画館の上映スケジュールは世界的に大幅に狂ったままの状態だ。

そんななか、コロナの影響を大きく受けてしまった被害作品の1つといえば、ディズニーが満を持して公開するはずだった『ムーラン』だろう。そして今、この作品をめぐって次々と問題が浮上していることをご存じだろうか。

ディズニープリンセス初のアジア系ヒロイン

今年公開予定だった映画『ムーラン』は、ディズニーが1998年に制作し、中国を舞台にした劇場用アニメーションの実写リメイク版である。88年のアニメは、中国の伝説「花木蘭」をベースにしたストーリーで、「ディズニーアニメに初のアジア人ヒロインが登場する」と、公開当時かなり話題となった。武術を得意とする強いヒロイン像は、現代的では人気を集めるだろうキャラクターだ。

ディズニーはここ数年、アニメ作品の実写化が増えているが、『ムーラン』もそのうちの1本だった。本来、今年の3月27日に全米公開が予定されていたが、ご存じの通りコロナウイルスのパンデミックにより7月24日に公開延期が告知された。

ところが、その後8月にはアメリカ・日本など一部の国の劇場公開を断念するという発表があり、なんと劇場公開無しでディズニーの定額ネット配信サービスである「Disney+」での配信が決定した。この発表には、当然のことながら国内外の多くの映画館オーナーらが反発し注目を集めることとなった。

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