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少女が熱狂「ワン・ダイレクション」って何者?

女の子には大人気なのに知名度はなぜか低い5人組ボーイバンドの不思議な魅力

2014年2月10日(月)16時20分
ケビン・ファロン

5人5色 (左から)リアム・ペイン、ルイ・トムリンソン、ゼイン・マリク、ハリー・スタイルズ、ナイル・ホーラン © 2013 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

 13年の8月下旬、ポップミュージック界では全米を揺るがす大騒動が相次いだ。

 まず「ディズニー出身のアイドル歌手」から脱皮を図るマイリー・サイラスが、MTVの授賞式で過激な腰振りパフォーマンスを披露。その是非をめぐって大人も巻き込む大論争が起きた。

 その数日後には、イギリスとアイルランド出身の5人組ワン・ダイレクションのドキュメンタリー映画『ワン・ダイレクション THIS IS US』が全米で封切られた(日本では14年2月12日より、3Dブルーレイ&ブルーレイ&DVDリリース/デジタル配信がスタート)。プレミア会場周辺には本人たちを一目見ようと、少女たちが寝袋持参で群がった。

 ワン・ダイレクション? 誰それ? 映画どころか、そんなグループの存在さえ知らないんだけど──そう思う読者は少なくないだろう。何しろこのグループに関していえば、世界はすっぱり2つに分断されている。

 一方の世界の住民は6〜16歳の少女たち。寝室の壁にワン・ダイレクションのポスターを貼りまくり、ツイッターと父親のクレジットカードを武器に、彼らを世界一の人気グループにした激しくも忠実なファンだ。

 もう一方の世界の住民は、こうした熱狂的ファン以外の全員だ。スーパーマーケットのBGMで「ホワット・メイクス・ユー・ビューティフル」(ワン・ダイレクションのデビュー曲)を聞いたことがあるかもしれないが、歌っているのが誰かは知らない。知っていたとしても、彼らにビートルズ並みの人気があるなんて知らない。

 ビートルズ並みの人気? まさか! 

 そんな声が聞こえてきそうだが、ワン・ダイレクションがビートルズ並みの社会現象になっているのは事実だ。でもそれなら、ファンでなくても名前やヒット曲のサビくらい知っているはずではないか......。

 そんな疑問に答えるために、世界一有名なのに世界一無名という「超常現象」を起こしたワン・ダイレクションの正体を探ってみよう。

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