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「クエンティンは私を見もしなかった」

デービッド・キャラダインに聞いた映画2部作『キル・ビル』の舞台裏と魅力的な声になる方法

2009年4月7日(火)12時00分

 70年代初めに、テレビドラマ『燃えよ! カンフー』で有名になった俳優デービッド・キャラダイン(67)。その後はもっぱらビデオ映画にばかり出演していたが、クエンティン・タランティーノの目にとまり、彼の2部作『キル・ビル』に抜擢。冷酷な悪役ビルを演じて、見事な復帰を果たした。

----『キル・ビル』の第1部では、声だけの出演だった。カットされると知ったのはいつ?

 たまたまという感じだった。スタジオでせりふを録音し直していたら、クエンティンが急に、「ところで、あなたは第1部には出ないよ」って(笑)。私のほうを見もしなかった。

----そのとき、どう思った?

 ショックだった。でも後で、そのほうが効果的だと考えた。1部ではミステリアス、2部では中心的存在。かっこいいじゃないか。

----タランティーノはビルの役をあなたのために書いたのに、ウォーレン・ベイティにオファーしたとか。

 別に裏切りではない。映画会社に資金を出させないといけないわけだから。ウォーレンは、観客を集められる俳優だ。

----彼はなぜ役を降りたんだろう

 2人の「ロマンス」が長続きしなかったんだろう。彼らには共通点がまったくないし、ウォーレンはカンフーの訓練なんてやりたくなかったんだと思う。3カ月もの間、ジムに通う彼を想像できるか? あんな大スターがあれこれ指図されて、従うとは思えない。

----いま電話でインタビューしているわけだけど、電話越しのあなたの声は素敵だ。

 シェークスピア劇をやったことがあれば、誰だってこういう声は出る。でも不思議なことに、よく言われるんだ。私にとってはただの自分の声で、特別とは思えないんだが。

[2004年4月21日号掲載]

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