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リーダーシップ

期待に応えず、他人に期待しないほうがうまくいく理由

2018年1月20日(土)17時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

中竹スタイル5 ■選手たちのスタイル確立を重視

私の指導方針として、リーダーの私がスタイルを持つことはもちろん、選手たちにも、自分なりのスタイルを持つことを奨励している。リーダーだけでなく、フォロワーも、自分のスタイルを構築することは重要である。その具体的な手法として、年に数回、リーダーの私と個人面談を行っている。また、セルフマネジメントという部門を作り、専門スタッフからレクチャーと直接指導を受けることによって、自己の確立を促している。

そのために、監督として大切なことは、個々のスタイルの確立を選手の評価基準に組み込むことである。ただ単に、選手のスタイル確立を唱えても、選手たちはスタイルを確立することのメリットを享受できなければ、スタイル作りに興味を持たない。特に下級生には「スタイルの確立」を意識させ、上級生にはワンステップアップの「スタイルの発揮」に力を注ぐようにアドバイスを送っている。

格好悪くても構わない、どんな相手にもブレないパフォーマンス、どんな状況でも変わらないパフォーマンスができる選手を高く評価している。

スタイルを重視した指導方針は、聞こえは良いが、選手選考の基準が非常にあいまいになるため、実は、組織の中に不満が高まりやすい。先ほど述べたように、スキルは良し悪しで判断できるため、選手選考の基準になりやすい。そのために、ほとんどの選手は、評価基準というものは試合でのパフォーマンスの良し悪しが全てだという認識が強い。しかし、私の方針としては、スキルよりもスタイルの重要性を説いて、自分らしくチームに貢献できる一貫性のあるパフォーマンスの発揮を期待している。

※第3回:エディー・ジョーンズに学ぶ「気配り」のリーダーシップ


『【新版】リーダーシップからフォロワーシップへ
 ――カリスマリーダー不要の組織づくりとは』
 中竹竜二 著
 CCCメディアハウス

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