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「有事の金」が下がる逆説 イラン戦争で市場に何が起きているのか

Why the Gold Price Is Falling During the Iran War—and What it Means

2026年3月24日(火)18時18分
本誌米国版編集部
パリの貴金属店の展示された金

「有事の金」にも弱みがあった(2月4日、パリの貴金属店) REUTERS/Benoit Tessier

<プロの投資マネーは金を売り、ドルや債券に向かっている>

世界で危機が起こると、金価格が上がる――「有事の金」だ。

だが今回のイラン戦争では、逆の動きが起きている。原油価格が上昇し、世界的危機を伝える見出しが踊る中で、金価格は急落しているのだ。

イラン戦争が始まった2月28日から本稿執筆時点までで、金価格はおよそ20%下落した。

危機の最中に株や債券だけでなく金まで下落するのは、世界経済の不吉な兆候なのか。

直感に反する動きに見えるが、それは金を単純な「恐怖の指標」として捉えるからだ。

安全求める資産の流入先は

多くの人にとって、恐怖時の資産といえば金だ。だが現代の金融市場では、ショック時に投資家がまず逃げ込む先は米ドルであることが多い。

ドルは世界で最も流動性の高い通貨であり、原油や国際輸送、保険といった基礎的な取引の価格にも使われている。

金はドル建てで取引されるため、ドルが強くなると、ポンド、ユーロ、円、ルピーなどで購入する投資家にとって金は割高になる。その結果、需要が減少し、金価格は下落しやすくなる。

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