ステーブルコインの普及で「金利が下がる」...暗号資産などは中央銀行にとって重要テーマ、FRB理事
米ニューヨーク・エコノミック・クラブで講演するミランFRB理事。9月撮影。REUTERS/Shannon Stapleton
米連邦準備理事会(FRB)のミラン理事は7日、法定通貨の価値に連動するデジタル通貨である「ステーブルコイン」が広く普及すれば、中央銀行は短期金利を従来より低い水準に維持する必要に迫られるとの考えを示した。
ミラン氏はニューヨークで開かれた「BCVCサミット2025」での講演で「ステーブルコインが普及すれば経済の中の貸付可能資金の純供給が増加し、『自然利子率(Rスター)』が押し下げられる」と指摘。自然利子率が低下すれば、健全な経済を支えるために政策金利も引き下げられなくてははならないとし、「自然利子率の低下に応じて中央銀行が利下げを行わなければ、景気が抑制される」と述べた。
自然利子率とは景気を過熱も減速もさせない中立的な金利水準を指す。
ミラン氏はまた、中央銀行にとってフィンテック(金融テクノロジー)や暗号資産の分野のイノベーションが注視すべき重要なテーマになっていると言及。「金融セクターのイノベーションは金融政策に明らかに影響を及ぼす」とし、「こうした革新がFRBの政策に及ぼす影響について検証し始めなければならない」と語った。
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