「統計局長解任」でアメリカ経済に暗い影、トランプは統計も自己都合で操作する―― ネイト・シルバー
Donald Trump 'In Denial' About Job Figures, Economy—Nate Silver
マクエンターファー局長の解任は、全米に衝撃を与えている。経済学者や民主党議員からは批判の声が相次ぎ、「問題に対処せず、問題を報告した人を罰している」との指摘も出ている。BLSは7月の雇用統計発表と同時に5月と6月の雇用統計を大幅に修正し、合計で25万8000人の雇用が「消えた」ばかりだった。
雇用統計によると7月は7万3000人の雇用者増で、事前予想の10万件を大きく下回った。失業率も4.2%に上昇している。
独立性の高い統計局長の更迭が、政権に不利な経済データの発表直後に行われたことは、独立機関の政治化やアメリカ経済統計の信頼性に対する疑念を呼び起こしている。専門家や議員たちは、BLSの独立性こそが経済政策の基盤だと訴えている。
シルバーは自身のニュースレターで「7月の雇用統計は経済減速の兆しを示しているが、トランプはその現実を否定している」と分析する。
BLSの雇用統計は、当月の発表後、翌月とその翌月の2回にわたって改訂され、さらに毎年1月には年間の見直しも行われる。7月の7万3000件という数字も8月と9月に改訂される。