最新記事
対中関税

対中関税引き下げ検討に前向き...「持続可能でない」ベッセント財務長官

2025年4月24日(木)09時17分
ホワイトハウス

米ホワイトハウス(写真)は、中国との協議次第で、中国製品に対する関税引き下げを検討する可能性がある。1月撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)

米政権は23日、中国との貿易戦争緩和に前向きな姿勢を示し、ベッセント財務長官は米中の高水準の関税は持続可能ではないとの認識を示した。

これを受け株価は上昇した。

ベッセント氏は、中国との貿易交渉を進展させるには米中が互いに表明している関税率を引き下げる必要があるとする一方、いかなる措置も一方的に実施されることはないと述べた。


 

「米国も中国もこれが持続可能な水準とは考えていない。禁輸措置に相当する水準だ。両国間の貿易の断絶は誰の利益にもならない」と述べた。

関係筋によると、米政権は中国との通商交渉を進めるため関税の大幅引き下げの協議に前向きだが、一方的に実施することはない見通し。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、関税率は50%まで引き下げられる可能性があると報じた。

ホワイトハウスの報道官は、いかなる報道も単なる憶測で、関税についてはトランプ大統領自身が発表すると強調した。

トランプ大統領は記者団に「中国と公正な取引を行う」と述べたが、具体的な内容には触れなかった。

関係筋によると、合成麻薬フェンタニルを巡る両国間の個別協議は今のところ成果を上げていない。

ベッセント氏は、トランプ大統領の関税の最終的な水準が明確になるのは今年の第3・四半期と考えるのが妥当と述べた。

また政権は官報で中型・大型トラックとその部品の輸入が国家安全保障上のリスクをもたらすかどうかの調査を開始したことを明らかにした。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は23日、大統領が自動車メーカーへの関税の一部免除を計画していると報じた。フェンタニル対策に絡み導入した対中関税と、鉄鋼・アルミ関税の対象から自動車部品を除外する可能性があるという。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 豪ワーホリ残酷物語
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月9日号(9月2日発売)は「豪ワーホリ残酷物語」特集。円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代――オーストラリアで搾取される若者のリアル

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


食と健康
「60代でも働き盛り」 社員の健康に資する常備型社食サービス、利用拡大を支えるのは「シニア世代の活躍」
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRBの金融政策「適切」、労働市場巡るリスクを警告

ビジネス

FRBの独立性に対する脅威は「非常に深刻」=英中銀

ビジネス

英財務相、11月26日に年次予算発表 財政を「厳し

ワールド

金総書記、韓国国会議長と握手 中国の抗日戦勝記念式
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 8
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 9
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 10
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中