最新記事

暗号通貨

テスラ車、ビットコインで購入可能に? どうなる決済の仕組み

2021年2月9日(火)17時37分

米電気自動車(EV)大手テスラは、暗号資産(仮想通貨)ビットコインを使ったテスラ車購入を近い将来に可能にする考えを示した。上海のテスラのショールームで2019年1月撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

米電気自動車(EV)大手テスラは8日、暗号資産(仮想通貨)ビットコインを使ったテスラ車購入を近い将来に可能にする考えを示した。実現すれば、実社会でのビットコインの決済利用が広がる可能性がある。

ビットコインは近年、知名度こそ高まったが、依然として決済手段というよりは投資商品としての利用が主流だ。

外部の決済業者を介してビットコインによる商品購入を認めている大手企業は少数存在するが、テスラは自社の投資ポートフォリオに仮想通貨を組み入れる計画の一環として、ビットコインを直接受け取る可能性を示唆した。

テスラは規制当局に提出した四半期報告書でこの計画に言及。15億ドル相当のビットコインを購入したことも明らかにした。顧客がビットコインでテスラ車を購入した場合、テスラはそれをすぐに現金化する可能性も、しない可能性もあるとしている。専門家はこれについて、テスラが少なくとも一部のビットコインを自動的には売却せず、保持する可能性を示唆していると指摘する。

テスラの広報担当者は詳細についてコメントの求めに応じていない。

第三者が仲介か

テスラが他の大手企業と同様の方法でビットコインによる支払いを受けると仮定すれば、顧客は自身の「デジタルウォレット」から第三者機関にビットコインを送り、この機関がそれをドルなどに交換してテスラに送る形になる。

例えばAT&Tやマイクロソフトなどは、仮想通貨決済処理のビットペイを通じてビットコインを受け付けてきた。ビットペイの担当者は、高級車ディーラー向けに決済を支援したことはあるが、現時点でテスラとの取引はないと述べた。

消費者は、仮想通貨をあらかじめドルに交換する決済カードを利用して、ビットコインを正式に受け付けたことのない店から商品を購入することもできる。

デジタル通貨の支持者で仮想通貨ソフトウエアを手掛けるトークンソフトの最高経営責任者(CEO)、メイソン・ボルダ氏は、シェイクペイという企業を通じて2016年にテスラの「モデル3」をビットコインで購入したと明かす。1回限り使用可能なクレジットカードに自身が保有するビットコインをアップロードし、テスラには現金が支払われた。

だが、ボルダ氏はこれを後悔しているという。当時およそ400ドルだったビットコインの価値は、8日時点で4万4000ドルを超えている。つまり、同氏がモデル3の支払いに使った13万ドル相当のビットコインは、今では1400万ドル以上の価値になっているということだ。

ボルダ氏は「ビットコインで高額商品を買うのは勧めない」と話す。ビットコインで買い物をするという「目新しさ」は、価格が急上昇すればすぐに薄れると忠告する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国人民銀、最優遇貸出金利据え置き 10カ月連続

ビジネス

エネ価格高騰、長期化ならインフレ加速・成長鈍化リス

ワールド

トランプ氏、イスラエルにガス田攻撃停止を要請 地上

ワールド

日米、重要鉱物の供給網強化に行動計画 価格下限の導
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 5
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 6
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 9
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 10
    トランプ暴走の余波で加熱するW杯「ボイコット論」..…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中