最新記事

投資

米ゲームストップ株が2倍高 ロビンフッドの制限緩和で個人買い再び

2021年1月30日(土)11時06分

29日序盤の米国株式市場で、ゲーム販売ゲームストップの株価が前日比で一時2倍超となった(2021年 ロイター/Mario Anzuoni)

29日序盤の米国株式市場で、ゲーム販売ゲームストップの株価が前日比で一時2倍超となった。オンライン証券のロビンフッドが取引制限を緩和したことで個人投資家の買いが再び活発化している。

前日にはロビンフッドやインタラクティブ・ブローカーズなどが同銘柄の取引を制限したことを背景に、ゲームストップ株は44%急落。ステレオ・ヘッドフォン製造のコスも同様に前日に大幅安となったが、29日には一時89%高となった。

ただ、両銘柄とも買い一巡後は伸び悩んでいる。

ロビンフッドはウェブサイトで、取引制限の一部を緩和すると発表。ただ、ゲームストップを含む13銘柄の端株の売買を認めておらず、個人投資家が取引するためにはまとまった資金が必要になる。

また、一つの口座で保有できる一銘柄当たりの株式数にも制限を設けており、既存ポジションの積み増しが抑制されている。

ゲームストップなどの株価急騰を巡り、空売りの買い戻しを余儀なくされたヘッジファンドなどが数十億ドルの損失を補填するためにアップルなどの優良銘柄を一部売却。これが市場全体を圧迫しており、S&P総合500種は29日序盤の取引で値下がりしている。

空売りを専門とする米投資情報会社シトロン・リサーチの創業者アンドリュー・レフト氏は29日、20年間続けていた「空売りレポート」を今後公開しないとユーチューブで発表。個人投資家向けに株価が複数倍になる可能性が高い銘柄の買い推奨に注力していく方針を示した。

また、証券取引委員会(SEC)は29日、特定銘柄の取引を「不当に阻害する」可能性のある行為を調査し、不正行為を注意深く監視していくと発表。「中核となる市場インフラは今週の異常な出来高でも耐性があると実証されているが、株価の極端なボラティリティーは投資家に急速かつ深刻な損失をもたらし、市場の信頼を損なう可能性がある」とした。

ホワイトハウスのサキ報道官は同日、SECは米市場の動きを監視・監督する規制当局だとし、SECの判断に従う意向を示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ゲームストップ株を暴騰させたアマチュア投資家たちの反乱と疑惑の幕切れ
・議会突入の「戦犯」は誰なのか? トランプと一族、取り巻きたちの全内幕
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
→→→【2021年最新 証券会社ランキング】



ニューズウィーク日本版 岐路に立つアメリカ経済
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月3日号(5月27日発売)は「岐路に立つアメリカ経済」特集。関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、鉄鋼関税50%に引き上げ表明 6月4日

ビジネス

アングル:トランプ関税、世界主要企業の負担総額34

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中