最新記事

韓国企業

日本の韓国輸出規制は韓国半導体メーカーを救う? 在庫削減で株価上昇

2019年7月10日(水)17時47分

日本が韓国向け半導体材料輸出の規制を強化したことが在庫の減少や減産につながるとの見方から、韓国の大手半導体メーカー、サムスン電子とSKハイニックスの株価が10日、上昇した。写真はソウルで2013年5月撮影(2019年 ロイター/Lee Jae Won)

日本が韓国向け半導体材料輸出の規制を強化したことが在庫の減少や減産につながるとの見方から、韓国の大手半導体メーカー、サムスン電子とSKハイニックスの株価が10日、上昇した。

両社は、今回の日本の輸出規制強化で最も大きな打撃を受けている。短期的には、材料の代替調達先を見つけるのが難しく、在庫の減少・減産につながり、半導体価格を押し上げる可能性がある。

韓国の大手半導体メーカーの関係者は、日本の措置は「われわれにとっては、在庫を一掃し、在庫が積み上がらないようにするチャンスになるかもしれない」と述べた。

10日のソウル株式市場で、サムスン電子株は1%高、SKハイニックス株は4.44%上昇して終了した。

韓国経済新聞は9日遅く、匿名の業界筋の話として、サムスン電子とSKハイニックスが、早ければ今月中にもNAND型フラッシュメモリの生産を縮小することを検討している、と報じた。

両社はこの報道を否定したが、それ以上のコメントは控えた。

NAND型フラッシュメモリはここ1年、価格が急落している。生産が需要を上回るペースで伸びていることに加え、スマートフォンなどの電子機器の世界市場が米中貿易戦争の打撃を受けたことが背景にある。

韓国の半導体・ディスプレイ技術協会の朴会長は「韓国の半導体メーカーは、日本の措置による影響を最小限に抑えようとしているが、その一方で、各社にとっては、3カ月分の在庫を減らす良いタイミングになり得る」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 Newsweek Exclusive 昭和100年
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年8月12日/19日号(8月5日発売)は「Newsweek Exclusive 昭和100年」特集。現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:欧州への不法移民20%減少、対策強化でも

ワールド

米ロ首脳、ウクライナ停戦合意至らす トランプ氏「非

ワールド

トランプ氏「今すぐ検討必要ない」、中国への2次関税

ワールド

プーチン氏との会談は「10点満点」、トランプ大統領
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 5
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 6
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 9
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 10
    【クイズ】次のうち、「軍事力ランキング」で世界ト…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 5
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 6
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 7
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 8
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 9
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 10
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
  • 6
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中