最新記事

インタビュー

「クリエイティブ51、ビジネス49」をバランスさせる経営

2016年1月28日(木)11時12分
WORKSIGHT

トップマネジメントが備えるべき"おわび機能"

 何か事が起きたときに問われるのは、クリエイティブに携わる人とビジネスを見ている人の信頼関係です。だから両者のコミュニケーションは大事なんです。コミュニケーションの中で相互の信頼関係が確かなものになる。もっといえば、両者は相互依存関係にあるんですよ。ドワンゴという会社がなければできないことが増えてきて、クリエイティブがいなくなっても、マネジメントがいなくなっても事業が続けられない、そういう会社の規模になってきました。

 ドワンゴという会社が実現していること、提供している場をみんなで守ろうぜと、僕も役員も思っています。そんなふうにみんなが思ってくれれば、それがすなわち会社に対するロイヤリティーだと思う。僕らお偉方の言うことを聞くことはロイヤリティーでもなんでもなくて、いま自分たちが実現している価値に対するロイヤリティーを持ってくれればそれで十分なんです。

 そのうえでそれぞれの立場で頑張ればいい。僕は社長という機能だし、クリエイターの機能もあれば、営業の機能もある。そういうものが組み合わさって全体ができる。そういう意味で、僕は"おわび機能"を搭載した社長なんです(笑)。チーム・ドワンゴが挑戦をやめずに進化し続けるために、それはマネジメントのトップに欠くべからざる機能だと思っています。

WEB限定コンテンツ
(2015.3.31 中央区のドワンゴ本社にて取材)

※インタビュー後編:部門ごとの働きやすさを追求、社員を「全員主役」にするオフィス はこちら

wsDwango_1b.jpg株式会社ドワンゴはインターネットにおける総合エンターテインメント企業として、コンテンツ及びシステムの企画、開発、運用、サポート、コンサルティングを展開。1997年設立。2014年10月に株式会社KADOKAWAと経営統合し、持株会社である株式会社KADOKAWA・DWANGOの完全子会社となる。なお、株式会社KADOKAWA・DWANGOは2015年10月に「カドカワ株式会社」に商号変更。http://info.dwango.co.jp

* niconico
プレミアム会員(有料会員)数は244万人(2015年3月現在)。ユーザーの投稿動画から別のユーザーが二次、三次の創作を行い独自の文化を形成している。また、生放送では「ネット党首討論会」や「将棋電脳戦」などが注目を集めている。

** ニコニコ超会議
幕張メッセで行われるniconico最大のイベント。「ニコニコ動画を地上に(だいたい)再現する」をコンセプトに、ネットとリアルが融合したさまざまな企画が展開される。2015年4月に行われた第4回目は来場者はのべ15万1,115人、ネット来場者数はのべ794万495人に上った。

wsDwango_portrait.jpg荒木隆司(あらき・たかし)
株式会社ドワンゴ代表取締役社長。1957年生まれ。東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)、投資顧問会社などを経て、エイべックス(現・エイべックス・グループ・ホールディングス)上級執行取締役に就任。2006年ドワンゴ社外取締役を兼務。2009年エイベックス・グループ・ホールディングス代表取締役専務。2010年4月エイベックス・インターナショナル・ホールディングス代表取締役社長。2012年11月よりドワンゴ代表取締役社長に就任。

※当記事はWORKSIGHTの提供記事です
wslogo200.jpg


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豪ANZに罰金1.65億ドル、国債取引巡る不適切処

ビジネス

MUFG、空白地インドに本格進出 ノンバンク大手に

ビジネス

午後3時のドルは156円ちょうど付近、日銀利上げで

ワールド

26年ブラジル大統領選、ルラ氏が右派候補に勝利との
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 7
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中