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AIIB参加表明で台湾の学生運動再び?

「1つの中国」の条件下で土壇場加盟を決めた馬政権に反発が

2015年4月15日(水)12時22分
J・マイケル・コール

抗議は燃えるか 昨年のヒマワリ革命を彷彿させた総統府前のデモ Chaiwat Subprasom-REUTERS

 台湾のアジアインフラ投資銀行(AIIB)参加は、中国をめぐる新たな大規模デモの火種となるかもしれない。

 台湾政府は先月末、中国主導のAIIBへの参加を表明。この決定に抗議する学生たちが台北の総統府前に集まり、警官隊との衝突が起きた。

 中国側は台湾のAIIB参加について、「1つの中国」の原則に基づいた適切な名称を使用するなら歓迎すると述べている。

 台湾の馬英九(マー・インチウ)総統は国家安全会議を招集し、上級官僚らと話し合い、申請締め切り直前で加盟を決めた。立法院(議会)と野党と有権者を蚊帳の外に置いた密室での協議だったため、中国との合意事項がまたも「ブラックボックス」で決定されたと激しい反発を招いた。

 黒色島国青年陣線など、昨年立法院を占拠した学生団体のメンバーが総統府前に結集。警官隊と小競り合いになり逮捕者も出た。野党の民進党も抜き打ち的な参加表明に「民主的な台湾にあるまじき政治のブラックボックス化だ」と抗議した。

 AIIBは、世界銀行など既存の国際金融機関とアジア太平洋地域に対するアメリカの影響力に対抗するために、中国が提唱した構想とみられている。

 台湾の加盟申請をきっかけに、第2の太陽花(ヒマワリ)革命が起きるかどうかは分からない。ただ事実上「死に体」状態の馬総統と国民党政権にとって、致命傷となる可能性は否めない。

From thediplomat.com

[2015年4月14日号掲載]

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