最新記事

ネット

死んだツイッターが甦った理由

成長鈍化であとは衰退するだけと言われたツイッターのポテンシャルとは

2014年7月30日(水)15時15分
ウィル・オリマス

不死鳥の如く 市場予測を上回る売上増が発表されてツイッターの株価は急騰した Kacper Pempel-Reuters

 ツイッターが死にかけていた、あの頃を覚えているだろうか?

 今年1~3月期の決算でツイッターは、市場予測をやや下回る成長にとどまった。「死亡宣告」を受けるのが当然の状態だった。(IT業界の専門用語に慣れていない読者のために解説すると、「市場予測をやや下回る成長」とは、ざっくりと「死亡」を意味する)

 しかし、あるビジネスが勢いを失ったと専門家が感じても、それだけで「死亡」するとは限らないのが面白いところ。

 29日に今年4~6月期の決算を発表したツイッターは、不死鳥のようによみがえった。売上高は市場予測を上回る、前年同期比2.2倍の3億1200万ドルに増加し、1株当たりの利益も黒字に転じた。それだけでなく、ツイッターの事業規模を示す指標である月間のアクティブユーザー数(ログインして利用したユーザー数)やタイムラインの閲覧数も予想を上回る急激な伸びを見せた。

 復活を遂げたツイッターは、いきなりウォール街で最も注目される株になった。ツイッターの株価は29日、株式市場終了からの一時間に、時間外取引で30%も急騰した。

 フェイスブックのような他のソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)と違い、ツイッターのアクティブユーザー数は閲覧数の一部でしかない。ツイッターはどちらかと言えば、著名人やメディアと、ファンやフォロワー(多くのログインしていないユーザーを含む)をつなぐインフラのようなもの。

 ツイッターにとっては閲覧数の方がアクティブユーザー数よりも重要で、実際の閲覧数はアクティブユーザー数よりはるかに多い。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国自動車輸出、4月は過去最高 国内販売は減少に減

ワールド

UNRWA本部、イスラエル住民の放火で閉鎖 事務局

ワールド

Xは豪州の法律無視できず、刃物事件動画訴訟で規制当

ビジネス

ドイツ住宅建設業者、半数が受注不足 値下げの動きも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 2

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必要な「プライベートジェット三昧」に非難の嵐

  • 3

    「少なくとも10年の禁固刑は覚悟すべき」「大谷はカネを取り戻せない」――水原一平の罪状認否を前に米大学教授が厳しい予測

  • 4

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽…

  • 5

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 6

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 7

    上半身裸の女性バックダンサーと「がっつりキス」...…

  • 8

    ロシア軍兵舎の不条理大量殺人、士気低下の果ての狂気

  • 9

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 10

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中