最新記事

銃規制

バーに銃を持ち込める法律に異議あり

既に少なくとも6州が、酒場に銃を持ち込むことを認めているが、どう考えても常軌を逸した考えだ

2013年8月21日(水)16時04分
キアラ・マッカーシー

天下の悪法 見ただけで危ない酒と銃の取り合わせだが Image Source/Getty Images

 共和党州議員が多い米ノースカロライナ州で先月末、とんでもない法律が可決された。バーの経営者が禁止しなければ、護身のために銃をバーに持ち込める法律だ。

 どう見ても悪い考えのようにしか思えない。常識的に考えても、また科学的な研究が証明するように、アルコールは銃使用時の精度と判断力を損なう。酔っぱらいがひしめく環境は危険でしかない。

 カリフォルニア大学デービス校の調査では、大酒飲みは銃所有率が高く、銃による死亡事件の約3分の1がアルコール絡みだ。学術誌「刑事司法と犯罪行動」に最近掲載された報告でも、衝動殺人を犯した93%に薬物やアルコール乱用の経歴がある。

 バーへの銃持ち込みを許可する州は、ノースカロライナが初めてではない。09年にテネシー州が、以降、少なくとも6州が後に続いている。

 とはいえ悲観的なニュースばかりでもない。バージニア州では銃を許可する法律を導入してから1年で、バーでの発砲事件が約5%減少したことが地元紙の調べで分かった。この調査対象範囲は狭いが、ノースカロライナの酒場でも必ずしも「血の海」にはならないかもしれない。

 それでも酒がある場所で銃の携帯を許可するのはいただけない。ノースカロライナのマクロリー州知事は同法案に署名するだろうが、同州ウィンストン・セーラムのジョインズ市長の言葉を心に留めておくべきだ。「銃とアルコールは相性がよくない」

[2013年8月20日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

経産省、ラピダスへの6315億円の追加支援決定 総

ワールド

宇宙船オリオン、4人乗せ地球に無事帰還 月の裏側を

ワールド

アングル:イラン戦争でインフレ再燃、トランプ政権に

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、中東停戦維持期待で安全資産
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 5
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 6
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 7
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 10
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 10
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中