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極秘買収にみるザッカーバーグの密室体質

取締役会にも相談せず、10億ドルで写真共有アプリ買収を決めたフェイスブックCEOの危うい資質

2012年5月28日(月)14時39分
タリア・ラルフ

変わらなきゃ IPO後はザッカーバーグの独断で意思決定することはできなくなりそうだが Eduardo Munoz-Reuters

 4月8日、SNS最大手フェイスブックの取締役会に寝耳に水の知らせが届いた。マーク・ザッカーバーグCEOがスマートフォン向けの写真共有アプリ「インスタグラム」の買収を決めたというのだ。

 ザッカーバーグはインスタグラムのケビン・シストロムCEOとの3日間の交渉で、自社にとって最大規模となる10億ドルの買収案件に合意。だが取締役会には、話が決まるまで「何の相談もなかった」という。

弁護士にも相談せず私邸でトップ会談

 関係者によれば、シストロムの当初の希望額は20億ドル。交渉はザッカーバーグの私邸で数回にわたって行われた。20代の2人のCEOは、弁護士や銀行家に相談せずに10億ドルの買収金額で合意した。

 両者は10億ドルの約30%は現金、残り70%はフェイスブックの自社株で買収を行うことにしたという。フェイスブックは5月にIPO(新規株式公開)を行う見込み。同社は1株当たり少なくとも30ドルに落ち着くとみており、上場時の時価総額は750億ドル以上になりそうだ。

 ただ上場後は、今回のように密室のトップ会談で買収が決定するケースはなくなるかもしれない。

From GlobalPost.com

[2012年5月 2日号掲載]

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