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タブレットPC時代の大いなる不安【後編】

2011年2月17日(木)17時23分
ファーハッド・マンジョー(オンライン雑誌「スレート」のテクノロジー担当コラムニスト)

 一方アップルにも問題はある。同社はアプリメーカーに厳しい制約を課しているため、革新的な発明が生まれにくいリスクがある。

 iPhoneでグーグルのボイスメール「グーグルボイス」のアプリが使えるようになるまでに、何カ月も待たされた。アプリの開発を厳しく統制する企業に、いつまでもしがみつく価値が本当にあるのだろうか。

 それでも私は、ウェブの力によってタブレット型端末にもパソコンと同じような互換性が生まれるという希望を捨てていない。アマゾン・ドットコムがあらゆるタブレット型端末で電子書籍を閲覧できるウェブ用アプリを開発すれば、アップルの制約から自由になれるかもしれない。PCより低価格で利用者数も圧倒的に多いモバイル端末でウェブがますます普及していくこといを考えれば、各社ともいずれ互換性のあるタブレット機を開発せざるをえなくなると思う。

 とはいえ、それはまだ先の話。少なくとも数年の間は、ライバル機種との互換性がない端末しか選べない状況が続く。いずれアプリとともに墓場行きとなる「負け組」機種を選んでしまう人も少なくないだろう。

 次世代型マシンが魅力的なのは間違いないが、端末選びは茨の道のようだ。

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