最新記事

携帯市場

アップルのいつか来た道

2010年1月15日(金)14時51分
ダニエル・ライオンズ(テクノロジー担当)

 現在話題のアンドロイド搭載スマートフォンは、モトローラが11月に発売した「ドロイド」だ。iPhoneと同じタッチスクリーンを採用しているが、入力用のキーボードも付いている。ドロイドはベライゾン・ワイヤレスを利用できる。iPhoneの場合、ベライゾンより使い勝手の悪いAT&Tモビリティを利用しなければいけない。

単独主義では頭打ちに

 半面、アップルがマイクロソフトから学んだこともある。iPhone向けアプリケーションの開発を他社に奨励したことは賢明だった。今やiPhone用アプリケーションは10万個と、アンドロイド用の10倍もある。しかしいずれiPhoneのアプリケーションもアンドロイドで使えるようになるだろう。そうなればアップルの優位性は失われる。

 市場調査会社ガートナーは、今後アンドロイドを搭載した端末が市場になだれ込み、2012年にはそのシェアがiPhoneをわずかに上回ると予測する。来年の発売が噂されているアップルのタブレット型パソコンが携帯情報端末市場におけるアップルの地位を支えるかもしれないが、「単独主義」を貫く限りアンドロイド端末の大攻勢には決してかなわない。

 アップルはまたしても、マニアを喜ばすことに満足するニッチな企業になってしまうのかもしれない。テクノロジー業界でも、歴史は繰り返すということだ。

[2009年12月 6日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アフガン東部でM6地震、死者800人超・2800人

ワールド

イスラエルがガザ市深くに戦車、空爆で19人死亡=パ

ワールド

欧州委員長搭乗機でナビ使えず、ロシアの電波妨害か 

ビジネス

アングル:AI関連銘柄に選別の試練、米半導体株急落
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 2
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマンスも変える「頸部トレーニング」の真実とは?
  • 3
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シャロン・ストーンの過激衣装にネット衝撃
  • 4
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 5
    映画『K-POPガールズ! デーモン・ハンターズ』が世…
  • 6
    「体を動かすと頭が冴える」は気のせいじゃなかった⋯…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    就寝中に体の上を這い回る「危険生物」に気付いた女…
  • 9
    シャーロット王女とルイ王子の「きょうだい愛」の瞬…
  • 10
    世界でも珍しい「日本の水泳授業」、消滅の危機にあ…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 3
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 4
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 7
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 8
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 9
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 10
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中